不動産知識大全 業者が言わない数字まで、検算して解説する。

不動産用語辞典

売買・投資・賃貸・税金で使われる用語を五十音順に並べています。 分野からも探せます。 深く説明できる語には、個別の解説記事への案内を付けています。

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あ

青色申告 あおいろしんこく

一定の帳簿を備えて記帳し、それにもとづいて申告する制度。承認を受けた者だけが使える。

不動産所得がある人にとっての利点は3つある。青色申告特別控除、生計を一にする親族へ払う青色事業専従者給与を必要経費にできること、そして純損失の繰越控除である。

控除額は、事業的規模かどうか、正規の簿記の原則にしたがって記帳しているか、電子申告や電子帳簿保存に対応しているかで変わる。貸付けが事業的規模といえるかは、おおむね5棟10室という基準で判断されることが多い。

申請には期限がある。 所得税法144条は、その年の3月15日まで、★その年1月16日以後に業務を開始した場合は開始から2か月以内と定めている。買ってから考えるのでは間に合わないことがある。

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位置指定道路 いちしていどうろ

土地を建築物の敷地として利用するために築造された道で、特定行政庁から位置の指定を受けたもの。建築基準法42条1項5号の道路にあたる。

私道であっても、指定を受けていれば建築基準法上の道路である。 接道義務を満たす道として扱われるため、その道に2メートル以上接していれば建物を建てられる。

一方で、所有者がいる私道であることは変わらない。上下水道やガスの引込みで道路を掘るには、所有者の掘削の承諾が要る。所有者が複数にまたがっていたり、相続で連絡が付かなくなっていたりすると、工事が進まないことがある。

購入前に確かめるのは2点である。位置指定を受けているか。掘削と通行の承諾が取れるか。 どちらも市町村の建築指導課と、私道の登記事項証明書で調べられる。

法律・制度

一棟 いっとう

アパートやマンションを建物ごと所有すること。1室だけを持つ区分所有と対になる言葉である。

区分と違い、管理組合の決議に縛られない。修繕の時期も、家賃の設定も、売る時期も自分で決められる。土地も丸ごと自分のものになるため、建物の価値が尽きても土地が残る。

代わりに、判断と負担がすべて自分に来る。 屋根と外壁の修繕、給排水管の更新、消防設備の点検。区分なら修繕積立金として毎月ならされている費用を、自分で積んでおかなければならない。

空室の影響も違う。10室のうち2室が空いても収入は8割残るが、区分1室は空けば収入がゼロになる。分散が効くのは一棟の側である。

不動産投資

違約手付 いやくてつけ

契約に違反した側が、罰として没収され、または倍返しする性質の手付。

手付には解約手付・違約手付・証約手付の区別があるが、特約がなければ解約手付と推定される。 解約手付なら、相手が履行に着手するまでは、買主は手付を放棄し売主は倍額を現実に提供して解除できる(民法557条1項)。

★売主が宅地建物取引業者で買主が業者でない場合は、その手付がいかなる性質のものであっても解約手付と同じ形で解除できる(宅建業法39条2項)。これに反して買主に不利な特約は無効になる。

つまり業者から買うなら、「違約手付だから解除できない」とは言われない。

売買・契約

印紙税 いんしぜい

契約書や領収書などの文書に課される税。収入印紙を貼って消印することで納める。不動産では売買契約書と金銭消費貸借契約書にかかる。

不動産の譲渡に関する契約書には軽減措置がある。租税特別措置法91条により、平成26年4月1日から令和9年3月31日までに作成されるものについて、記載された契約金額が1,000万円超5,000万円以下なら1万円、5,000万円超1億円以下なら3万円、1億円超5億円以下なら6万円とされている。

★売買契約書は売主と買主が1通ずつ持つのが通常で、その場合は2通分かかる。原本を1通にして写しを持つなど、扱いは取引による。金銭消費貸借契約書に、この軽減は無い。

税金

越境 えっきょう

隣の土地から、木の枝・屋根・塀・配管などが境界線を越えて入り込んでいること。逆にこちらから越えている場合も含む。

★枝と根で扱いが違う。 民法233条は、隣地の竹木の枝は所有者に切除させることができるとし、根は自分で切り取れるとしている。

2023年4月施行の改正で、枝についても自分で切り取れる場合が加わった。切除するよう催告したのに相当の期間内に切除しないとき、所有者や所在が分からないとき、急迫の事情があるときの3つである(233条3項)。

建物や塀の越境は、将来の建て替えのときに問題になる。売買の前に、境界と越境の有無を書面で確かめておくこと。

法律・制度

NOI えぬおーあい

Net Operating Income の略。年間の家賃収入から運営経費を差し引いた純収益のこと。営業純利益と訳される。

ここでいう運営経費に、ローンの返済と減価償却費は含めない。返済は資金の調達方法によって変わり、減価償却は現金が出ていかないためである。物件そのものの収益力を、買い方と切り離して測るための数字といえる。

キャップレートによる価格の逆算にも、実質利回りの計算にも、この NOI を使う。

不動産投資

オーナーチェンジ おーなーちぇんじ

賃借人が住んだままの状態で、物件の所有者だけが替わる売買。買った側は、賃貸借契約をそのまま引き継ぐ。

★室内を見られない。 賃借人が住んでいるので内覧ができず、設備の状態も原状回復の必要も、退去するまで分からない。

★条件も引き継ぐ。 相場より安い賃料、特殊な特約、預かっている敷金の返還義務。どれも売主が結んだ内容のまま引き継ぐ。賃貸借契約書とレントロールを、契約の前に必ず読むこと。

引渡しがあれば賃借人は新しい所有者に対抗できる(借地借家法31条)。「買ったから出ていってもらう」はできない。

不動産投資

か

買付証明書 かいつけしょうめいしょ

買主が売主に対し「この条件で買いたい」という意思を示す書面。購入申込書とも呼ばれる。

法的な拘束力は原則として無い。 買付証明書を出した後で撤回しても、それだけで損害賠償の責任を負うことは通常ない。逆に売主の側にも、これを受け取ったから売らなければならない義務は生じない。

ただし価格や引渡し時期の交渉は、この書面を起点に進む。書いた条件がそのまま契約書へ流れることが多いため、金額・手付金・融資特約の期限は、出す前に確かめておく価値がある。

売買・契約

開発許可 かいはつきょか

土地の区画形質を変更するとき(開発行為)に必要な、都道府県知事等の許可。都市計画法29条にある。

宅地を造成して分譲する、山林を切り開いて建物を建てる。こうした行為が対象になる。

★規模によっては要らない。 市街化区域では政令で定める規模未満のものが除かれており、多くの小規模な造成は許可を要しない。一方、市街化調整区域では規模にかかわらず許可が必要である。

買おうとしている土地が造成地なら、開発許可を受けているか、その内容に沿っているかを確かめること。 許可の内容と違う使い方をしていると、建て替えのときに問題になる。

法律・制度

解約予告期間 かいやくよこくきかん

借主が退去するときに、何日前までに申し出るかの期間。契約書で決める。

住居では1か月前、事業用では3〜6か月前とする例が多い。★法令で決まった期間ではなく、契約の定めである。

期間より遅れて申し出た場合、その分の賃料を払うことになる。「今月末に出る」と伝えても、1か月前の予告が必要なら翌月分まで払う。

★引越しの日を決める前に、契約書のこの条項を見ること。退去日と、賃料が発生しなくなる日は別である。 鍵を返した日ではなく、予告期間を満たした日で決まる。

賃貸

確定申告 かくていしんこく

その年の所得と税額を自分で計算して、税務署へ申告する手続き。原則として翌年の2月16日から3月15日までに行う。

不動産に関わる場面は3つある。貸している間(不動産所得)、売った年(譲渡所得)、そして住宅ローン控除を受ける最初の年である。

給与所得者でも、住宅ローン控除の1年目は申告が要る。2年目以降は年末調整で処理できる。★売った年の申告を忘れると、特例が使えなくなることがある。 3,000万円特別控除も空き家特例も、申告が適用の要件になっている。

税金

火災保険 かさいほけん

火災や風水害などによる建物と家財の損害を補償する保険。住宅ローンを組むとき、金融機関から加入を求められるのが通常である。

担保になっている建物が焼失すると、返済の原資も担保も同時に失われる。貸す側にとっては、返済されない状態を避けるための条件にあたる。

地震による損害は火災保険では補償されず、地震保険を付ける必要がある。地震保険は単独では加入できず、火災保険に付帯する形になる。保険料は諸費用の一部として、契約の前に見積りで確かめられる。

ローン・お金

瑕疵保険 かしほけん

建物に欠陥が見つかったときの補修費用を保険でまかなう仕組み。正しくは住宅瑕疵担保責任保険という。

新築住宅については、売主等に資力を確保する措置が法律で義務づけられており、保険か供託のいずれかで対応される。買主が任意で入るものではなく、売主側の義務として制度が組まれている。

中古住宅の売買に付けられるものは、既存住宅売買瑕疵保険と呼ばれる任意の保険である。加入には検査を通る必要があり、検査に通ったこと自体が建物の状態を示す情報になる。

保険の対象は構造耐力上主要な部分や雨水の浸入を防止する部分など、範囲が定められている。設備の不具合まで含むとは限らないため、何が対象かを約款で確かめる。

売買・契約

課税標準 かぜいひょうじゅん

税額を計算するときに、税率を掛ける相手になる金額。「いくらに対して何%か」の、いくらのほうである。

評価額とは一致しないことがある。固定資産税では、住宅用地の特例により課税標準額が評価額の6分の1(小規模住宅用地)や3分の1(一般住宅用地)に下がる。不動産取得税でも、新築住宅について一定額を控除した後の額が課税標準になる。

「評価額×税率」で計算すると、特例のぶんだけ多く見積もることになる。 課税明細書では、評価額と課税標準額が別の欄に分かれている。

税金

借主の修繕権 かりぬしのしゅうぜんけん

貸主が修繕しないとき、借主が自分で修繕できる権利。2020年4月施行の改正民法で明文化された。

民法607条の2は、修繕が必要な場合に借主が修繕できるときとして2つを挙げている。借主が貸主へ通知したか貸主が知ったにもかかわらず、相当の期間内に必要な修繕をしないときと、急迫の事情があるときである。

★通知が先である。 連絡せずに直して費用を請求する、という順序ではない。急迫の事情があるときだけが例外になる。

給湯器が壊れた、雨漏りがする。まず貸主か管理会社へ連絡し、いつ直すかを記録に残すこと。

賃貸

管理委託契約 かんりいたくけいやく

賃貸物件の管理を、管理会社に委託する契約。入居者の募集、家賃の集金、苦情の対応、退去の立会いなどを任せる。

手数料は集めた家賃に対する割合で決めるのが一般的である。★賃料の何%かは相場であって、法令で決まった額ではない。

サブリース(一括借上げ)とは別のものである。管理委託では貸主は入居者と直接の賃貸借契約を結び、空室のときは家賃が入らない。サブリースでは業者が借主になり、空室でも保証賃料が入る代わりに、その額が下がりうる。

どちらの契約なのかを、契約書の題ではなく中身で確かめること。

不動産投資

管理会社 かんりがいしゃ

建物や賃貸住宅の管理を受託する会社。マンションでは管理組合から、賃貸では貸主から委託を受ける。

賃貸住宅の管理を業として行う場合、管理戸数が200戸以上なら国土交通大臣の登録が必要である(賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律)。登録業者には、業務管理者の選任、家賃の分別管理、定期的な報告が義務づけられている。

サブリース(転貸)を行う業者は、これとは別に勧誘や契約前の説明についての規制を受ける。同じ「管理」でも、受託型と転貸型で適用される規制が違う。

賃貸

管理組合 かんりくみあい

分譲マンションで、区分所有者全員によって構成される団体。区分所有法により、区分所有者は当然にその一員となる。

入るか入らないかを選べない。 部屋を買った時点で組合員になり、売れば外れる。管理費と修繕積立金は、この組合に対して払う。

集会(総会)で議決し、規約を定め、管理者を置く。共用部分の管理、長期修繕計画の作成、大規模修繕の発注といった判断は、ここで決まる。滞納された管理費は、部屋を買った人が引き継ぐため、中古では滞納の有無を書面で確かめる。

法律・制度

元金均等返済 がんきんきんとうへんさい

毎回返す元金を一定にし、その時点の残高に応じた利息を上乗せして払う返し方。元利均等返済と対になる。

返済額は初回が最も大きく、元金が減るにつれて下がっていく。同じ金利・同じ期間なら、利息の総額は元利均等返済より小さくなる。 元金の減りが早いためである。

その代わり、返済が始まった直後がいちばん重い。審査では最初の返済額で返済比率を見るため、借りられる額は小さくなりやすい。取り扱っていない金融機関もある。

売却を考えるなら、残債の減りが早いことが効いてくる。売値が残債に届くまでの期間が短くなる。

ローン・お金

元利均等返済 がんりきんとうへんさい

毎月の返済額(元金+利息)を一定にする返済方法。日本の住宅ローンではこちらが一般的である。

毎月の額が変わらないため家計の見通しは立てやすいが、返済の初期は利息の割合が大きく、元金がなかなか減らない。同じ条件なら元金均等返済より返済総額は多くなる。

投資用不動産では、この性質が出口の判断に効いてくる。売却時の残債が想定より多く残り、売却価格が残債に届かないことがあるためである。

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期限の利益の喪失 きげんのりえきのそうしつ

分割で返せばよいという借主の立場が失われ、残りの全額を一度に請求される状態になること。

民法137条は3つの場合を挙げる。債務者が破産手続開始の決定を受けたとき、担保を滅失・損傷・減少させたとき、担保を供する義務があるのに供しないときである。

ただし実際に効くのは、条文よりも契約の条項のほうである。 金銭消費貸借契約には期限の利益喪失条項が置かれ、返済の遅延、他の債務の不履行、届出事項の虚偽などが並ぶ。何回の遅延で喪失するかは契約による。

一度に請求されれば、多くの場合は払えない。抵当権が実行され、競売へ進む。★借りた後にこちらから動けるのは繰上返済・借り換え・条件変更だが、貸し手の側からはこの条項が動く。

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既存不適格 きぞんふてきかく

建てられた当時の法令には適合していたが、その後の法改正や都市計画の変更で、現行の基準に合わなくなった建物。

違法建築ではない。 存在し続けることは認められており、そのまま使うことができる。この点が、当初から基準に反していた違法建築とは決定的に違う。

問題になるのは建て替えのときである。新しく建てる建物は現行の基準にしたがうため、いまと同じ規模を確保できないことがある。建ぺい率や容積率が超過していれば、床面積は減る。

区分所有のマンションでは、これが建て替え決議の成否に直接効く。戸数を減らさなければ建て替えられないなら、費用の負担も合意の取りつけも難しくなる。築古の物件を検討するときは、現況の建ぺい率と容積率を確かめる価値がある。

法律・制度

キャップレート きゃっぷれーと

還元利回りともいう。不動産の収益力から価格を求めるときに使う利率で、「年間の純収益 ÷ 価格」で表す。

実務では逆に使うことが多い。その地域・その種類の物件で成立しているキャップレートを当てはめ、純収益から価格を逆算する。 収益還元法による価格査定の基本になる考え方である。

数字そのものは実質利回りと近いが、こちらは「価格を決めるための率」として扱われる点が違う。地域の需給や金利で動く。

不動産投資

境界確定 きょうかいかくてい

隣地との土地の境目を、隣接する所有者の立会いのもとで確認し、書面に残すこと。確定測量ともいう。

境界が確定していない土地は、売買後に隣地との紛争が起きうる。塀や建物が越境していることも珍しくない。土地の売買では、売主の負担で確定測量を行い、境界標を設置したうえで引き渡すのが一般的である。

契約書に「実測売買」とあるか「公簿売買」とあるかで、測量の扱いと代金の精算方法が変わる。

売買・契約

共有持分 きょうゆうもちぶん

1つの不動産を複数人で所有しているときの、それぞれの権利の割合。登記簿に「持分2分の1」のように記録される。

★持分だけを売ることはできるが、買う人はほとんどいない。 買っても自分だけでは使えず、貸すことも建て替えることもできないためである。

物件そのものを売るには、共有者全員の同意が要る。民法251条1項が、他の共有者の同意なく共有物に変更を加えることを禁じている。1人でも反対すれば売れない。相続で兄弟の共有になった実家が、そのまま何十年も動かないのはこの構造による。

共有物の分割を裁判所に請求する道はある(民法258条1項)。裁判所は現物分割のほか、1人に持分を取得させて金銭で精算させる方法も命じられる(同2項2号)。ただし時間も費用もかかる。共有にする前に、その先を決めておくほうが早い。

売買・契約

極度額 きょくどがく

保証や担保が及ぶ範囲の上限額。

根抵当権では、その抵当権が担保する債権の上限として登記される。個々の借入ではなく、枠を設定する形になる。

★2020年4月施行の改正民法で、個人が根保証をするときは極度額を定めなければ効力を生じないことになった(465条の2第2項)。それまでは上限のないまま保証人になる契約が可能だった。

賃貸の連帯保証人がこれに当たる。契約書に極度額の記載がない個人根保証は、無効である。 署名する前に、いくらまで負うのかが書いてあるかを確かめること。

ローン・お金

金銭消費貸借契約 きんせんしょうひたいしゃくけいやく

お金を借りる契約そのもの。実務では金消契約と略される。売買契約とは別に、金融機関との間で結ぶ。

決済の日より前に、金融機関の窓口で締結するのが通常である。ここで金利の種類、返済期間、返済方法、遅延損害金、期限の利益喪失の条項が確定する。

署名した後で条件は変えられない。 変動金利の見直しの周期、返済額の改定の方法、繰上返済の手数料。読むべき場所は契約書と商品説明書にすべて書かれている。

同時に、物件に抵当権を設定する契約も結ぶ。借入額に応じた印紙税がかかる点も、諸費用の一項目として見込んでおく。当日に初めて条文を読むことにならないよう、事前に写しをもらって目を通すのが確実である。

ローン・お金

空室率 くうしつりつ

一定の期間のうち、部屋が空いていた割合。利回りの計算で、満室の家賃から差し引くために使う。

年に1か月空けば約8%になる。★販売資料の多くは空室率0%(満室想定)で作られている。 嘘ではないが、35年間ずっと満室という前提である。

★実際の空室は、平均どおりには来ない。 「毎月8%ずつ入らない」のではなく、「ある年に1年まるごと空く」という形で来る。平均が同じでも、資金繰りの厳しさは違う。

同じ地域・同じ間取りの募集状況を見て、年に何か月空くかを自分で見積もるのが確実である。

不動産投資

区分所有 くぶんしょゆう

マンションのように、一棟の建物を部屋ごとに区切って所有する形態。部屋の内部(専有部分)を所有し、廊下・階段・外壁などの共用部分を他の所有者と共有する。

一棟所有との違いは、自分だけでは決められないことが多い点にある。大規模修繕の時期も、修繕積立金の額も、管理組合の決議で決まる。専有部分の中は自由に直せるが、外壁や配管は共用部分にあたる。

投資として見る場合、収支は一室の稼働に完全に依存する。空室になれば収入はゼロになる。

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繰上返済 くりあげへんさい

毎月の返済とは別に、まとまった額を返して元金を減らすこと。2つの型がある。

  • 期間短縮型 … 毎月の返済額は変えず、返済期間を短くする。利息の軽減効果は大きい
  • 返済額軽減型 … 期間は変えず、毎月の返済額を下げる。手元の資金繰りが楽になる

投資用不動産では、手出しを減らすために返済額軽減型を選ぶ場面がある。ただし手元の現金が減るため、空室や修繕への備えが薄くなる。どちらを選ぶかは、利息の総額だけでなく、現金をどれだけ持っておきたいかで決まる。

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契約不適合責任 けいやくふてきごうせきにん

引き渡された物が種類・品質・数量について契約の内容に適合しないとき、売主が負う責任。民法562条以下にある。買主は、修補などの履行の追完、代金の減額、損害賠償、契約の解除を求められる。

2020年4月施行の改正で、それまでの瑕疵担保責任から置き換わった。隠れた瑕疵かどうかではなく、契約の内容に適合しているかで判断する形になっている。だから契約書に何がどう書かれているかが、そのまま責任の範囲を決める。

売主が宅建業者で買主が業者でない場合、通知の期間を引渡しから2年より短くする特約は無効になる(宅建業法40条)。

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決済 けっさい

売買代金の残額を支払い、所有権の移転登記を申請し、鍵を受け取る一連の手続き。引渡しと同じ日に行うのが通常である。

金融機関の一室で、買主・売主・仲介業者・司法書士が集まって行うことが多い。司法書士が登記に必要な書類を確認し、問題がないことを確かめてから融資が実行される。この順序が守られることで、代金を払ったのに登記が動かない事態を防いでいる。

三為契約のように中間業者が入る場合も、同じ日に一括して行われる。

売買・契約

建築確認 けんちくかくにん

建築の計画が建築基準法などに適合しているかを、建築主事または指定確認検査機関が確認する手続き。通ると確認済証が交付される。

工事が完了すると完了検査を受け、適合が確認されれば検査済証が交付される。確認と検査は別の手続きで、確認だけ受けて検査を受けていない建物が存在する。

中古で問題になるのはここである。検査済証が無いと、金融機関の融資が付きにくい。 増築や用途変更が確認を受けずに行われていることもあり、その場合は現況が図面と一致しない。

売買では、確認済証と検査済証の有無を早い段階で確かめる。紛失している場合、市町村で建築計画概要書や台帳記載事項証明書を取得できることがある。無いまま進めると、融資の段階で止まる。

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建ぺい率 けんぺいりつ

敷地面積に対する建築面積(建物を真上から見た面積)の割合の上限。建築基準法53条1項が用途地域ごとの区分を定め、その範囲で都市計画が数値を決める。

建ぺい率60%の地域で100㎡の敷地なら、建築面積は60㎡までとなる。空地を確保して日照・通風・防火を保つための決まりである。

角地や防火地域の耐火建築物には緩和がある。逆に、現行の基準を超えている既存不適格の建物は、建て替えると同じ規模を確保できないことがある。中古を買うときに確認する価値がある。

法律・制度

減価償却 げんかしょうきゃく

建物や設備の取得費を、使用できる期間(耐用年数)にわたって費用として配分する会計上の手続き。

現金は出ていかないのに経費になるという性質があるため、不動産投資では所得を圧縮する手段として語られる。不動産所得が赤字になれば、給与所得と損益通算できる場合がある。

ただし2つの限界がある。耐用年数が終われば償却も終わること、そして償却した分だけ売却時の取得費が下がり、譲渡所得が増えることである。税を消すのではなく、繰り延べる側面を持つ。

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減価償却費相当額 げんかしょうきゃくひそうとうがく

原状回復の負担を決めるときに使う考え方。時間が経つほど、借主の負担が小さくなるという形で計算する。

国土交通省の原状回復のガイドラインは、クロスや設備の価値が入居時から年々減っていくものとして扱い、借主が負担するのは残っている価値の部分までとしている。クロスは6年で残存価値1円になるという例が示されている。

つまり6年住んだ後にクロスを張り替えても、借主の負担はほぼ残らない。 「新品に戻す費用の全額」を請求されたときに、確かめる根拠になる。

賃貸

原状回復 げんじょうかいふく

賃貸物件の退去時に、借りたときの状態へ戻すこと。何をどこまで戻すかで争いが起きやすい。

考え方の基本は、通常の使用によって生じた損耗(通常損耗)と、経年による変化は貸主の負担、借主の故意・過失や善管注意義務違反による損傷は借主の負担、というものである。国土交通省がガイドラインを示している。

日焼けによる壁紙の変色や、家具の設置による床のへこみは通常損耗にあたるとされる。一方、タバコのヤニや、結露を放置して生じたカビは借主の負担とされることが多い。

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原状回復特約 げんじょうかいふくとくやく

本来は貸主が負担する通常損耗の補修を、借主の負担とする旨を契約書に定めたもの。ハウスクリーニング代の負担や、畳・襖の張替えを一律に借主負担とする条項がこれにあたる。

こうした特約が常に無効というわけではない。ただし最高裁は、通常損耗の補修を借主負担とする特約が成立しているというためには、借主が負担すべき範囲が具体的に明記されているなど、明確に合意されていることが必要という趣旨の判断を示している(平成17年12月16日判決・平成16年(受)第1573号)。

したがって「通常損耗を含む」とだけ書かれた条項や、金額の目安が無い条項は、効力が争われうる。

契約前に見るのは3点である。負担する範囲が具体的に書かれているか。金額または算定の方法が示されているか。説明を受けたか。

賃貸

更新料 こうしんりょう

賃貸借契約を更新するときに、借主が貸主へ支払う一時金。賃料の1〜2か月分とされることが多い。

法律上の支払義務があるわけではなく、契約に定めがあって初めて発生する。地域差が大きく、首都圏では広く行われている一方、慣行の無い地域もある。

有効性が争われた事案では、契約書に一義的かつ明確に記載され、金額が賃料や更新期間に照らして高すぎなければ、直ちに無効とはいえないとする判断が示されている。

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公簿売買 こうぼばいばい

登記簿に記録された面積で売買し、実測との差が出ても代金を精算しない取引の方法。数量指示売買ではない取引として扱われる。

登記簿の面積は、古い測量にもとづくものが少なくない。特に山林や農地、市街地でも古くからの土地では、実際の面積と数十平方メートル単位で食い違うことがある。

公簿売買では、その差が出ても代金は動かない。多くても少なくても、契約した金額で確定する。

測量の費用と時間を省ける代わりに、面積の差を引き受ける取引である。土地の単価が高い地域ほど、差の金額は大きくなる。契約書のどちらが書かれているかを、署名の前に確認する価値がある。

売買・契約

告知事項 こくちじこう

物件の売買や賃貸で、取引の相手方の判断に重要な影響を及ぼす事柄として、伝えなければならない事項。

物理的なもの(雨漏り、シロアリ、給排水の不具合)、法律的なもの(越境、私道の負担)、環境的なもの(近隣の嫌悪施設)、そして心理的なもの(過去に人が亡くなった事実など)に分けて語られることが多い。

広告に「告知事項あり」とだけ書かれている場合、内容は問い合わせないと分からない。書かれていること自体が、確認すべき点があるという合図になる。

売買・契約

固定金利 こていきんり

借入から完済まで、あるいは一定の期間、金利が変わらない借り方。全期間固定と、当初10年などの固定期間選択型がある。

借入時点の金利は変動金利より高いことが多い。その差が、将来の金利上昇を引き受けてもらう対価にあたる。

判断の材料になるのは、返済額が確定していることの価値をどう見るかである。35年の間に何が起きるかは誰にも分からない。返済額が動かなければ、家計の計画は立てやすい。

固定期間選択型は注意が要る。固定期間が終わった後は、その時点の金利で再計算される。 変動金利にあるような5年ルールや125%ルールが働かない商品もあり、返済額が一度に大きく上がることがある。期間が終わる時期と、そのときの想定を先に確かめておく。

ローン・お金

固定資産税 こていしさんぜい

土地・家屋などを持っている人に、その所在地の市町村(東京23区は都)が課す税。毎年1月1日時点の所有者に課される。

税額は「課税標準額 × 税率」で決まり、標準税率は1.4%である(地方税法350条1項)。標準税率なので、市町村が条例でこれと異なる税率を定めることもできる。課税標準額は売買価格ではなく、固定資産課税台帳に登録された評価額をもとにする。

購入を検討している物件の実額は、売主が持つ課税明細書で分かる。 収支の計算に概算を使うと、実質利回りが実際より高く出る。市街化区域では都市計画税もあわせて課される。

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固定資産税評価額 こていしさんぜいひょうかがく

市町村が固定資産税を計算するために定めた、土地と家屋の価格。3年に1度、評価替えが行われる。

固定資産税だけの数字ではない。 不動産取得税、登録免許税、そして相続税の家屋の評価も、この額をもとに計算する。1つの数字が複数の税に効いてくる。

水準は、国土交通省の資料によれば地価公示価格の7割程度とされている。ただし3年に1度しか動かないため、地価が動いた年には比がずれる。額は毎年の課税明細書に書かれている。

税金

さ

再建築不可 さいけんちくふか

いまある建物を取り壊すと、新しい建物を建てられない土地のこと。接道義務を満たしていない場合に生じる。

価格は相場より大きく下がるため、利回りは高く出る。ただし2つの問題が伴う。融資が付きにくいことと、次に買う人も同じ制約を受けることである。

自分が現金で買えても、売るときの買い手は限られる。利回りの高さは、この流動性の低さの裏返しでもある。隣地を買い足して接道を確保できれば解消しうるが、相手のある話になる。

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サブリース さぶりーす

業者が物件を一括で借り上げ、入居者へ転貸する仕組み。所有者から見れば、空室でも一定の賃料が入る。

その代わり賃料は相場より低く設定される。さらに借地借家法32条の借賃増減請求権により、業者の側から減額を請求されることがある。 最高裁は平成15年10月21日の判決で、サブリース契約にも32条が適用されうると判断している。

2020年成立の賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律により、誇大広告と不当な勧誘が禁じられ、契約前の重要事項説明が義務づけられた。ただしこれは説明を求める規制であって、賃料が下がること自体を禁じるものではない。

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3,000万円特別控除 さんぜんまんえんとくべつこうじょ

住んでいた家を売ったときに、譲渡所得から最大3,000万円を差し引ける制度。租税特別措置法35条にある。正式には居住用財産を譲渡した場合の特別控除という。

所有していた期間の長短を問わない。長期譲渡所得でも短期譲渡所得でも使える。

★使えない場合がある。前年または前々年にこの控除などの適用を受けているときは使えない。配偶者や一定の親族へ売った場合も対象外である。住まなくなった家なら、住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売る必要がある。

控除を使って税額が0になる場合でも、適用を受けるには確定申告が要る。

★住宅ローン控除とは併用できない。 措置法41条21項が、住み始めた年とその前年・前々年にこの控除を受けているときは住宅ローン控除を適用しないと定め、22項が住み始めた年の翌年以後3年以内の譲渡も同じ扱いにしている。合わせて6年ぶつかる。 買い替えでは、どちらが大きいかを先に出す必要がある。

税金

三為契約 さんためけいやく

売主と買主のあいだに入った不動産会社が、所有権を自分へ移さないまま転売する取引。民法537条の「第三者のためにする契約」を使うことから、こう呼ばれる。登記は売主から最終の買主へ直接動く。

中間の会社は所有権を取得しないので、不動産取得税と登録免許税がかからない。中間省略登記ができなくなった後に、同じ効果を得るために広まった形である。

それ自体は違法ではない。 買主の側で問題になるのは、中間の会社がいくらで仕入れたかが分からないことのほうである。

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市街化調整区域 しがいかちょうせいくいき

都市計画法にもとづく区域区分のうち、市街化を抑制すべき区域とされたもの。市街化区域と対になる。

原則として建物を建てられない。 建てるには開発許可や建築の許可が必要で、認められる場合は農林漁業に関するものや、法令で定められた類型に限られる。既に建物があっても、建て替えに許可が要ることがある。

用途地域は原則として定められない。都市計画税も課されない。土地の価格は市街化区域より低いが、それは使える範囲が狭いことの反映である。

融資も付きにくい。買う側にとっての制約は、売る側に回ったときにそのまま自分の制約になる。安さの理由がどこにあるかを、市町村の都市計画課で確かめてから判断する。

法律・制度

敷金 しききん

賃貸借契約で、賃料の不払いや原状回復の費用に充てるために、借主が貸主に預けるお金。

預り金であり、退去時に精算して返す性質のものである。 民法にも、賃貸借が終了して明渡しがされたときは、未払い賃料などを差し引いた残額を返還する旨が定められている。

「敷引き」「償却」といった名目で一部を返さない特約が置かれることがあるが、その有効性は金額や地域の慣行によって争われてきた。契約書に書かれていれば、必ず内容を確認しておく。

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私道負担 しどうふたん

売買する土地の一部が私道になっている場合の、その部分のこと。セットバックで提供する部分を含めていうこともある。

私道の部分には建物を建てられず、建ぺい率・容積率を計算する敷地面積にも算入しない。 登記簿上の面積が広くても、使える面積はその分だけ小さくなる。

宅建業法35条1項3号は、建物の貸借以外の契約について、私道に関する負担に関する事項を重要事項として説明させている。持分があるのか、通行料がかかるのか、掘削の承諾は取れるのか。この3つは、水道やガスを引き込めるかに直結する。

法律・制度

司法書士 しほうしょし

登記の申請を代理することを業とする資格者。不動産の売買では、決済の場に立ち会い、所有権移転と抵当権設定の登記を担う。

決済の日に全部を同時に行うための要になる。 買主は代金を払う前に登記が済んだことを確かめられず、売主は代金を受け取る前に登記に応じられない。その場に司法書士がいて、書類が揃っていることを確認したうえで、代金の支払と登記の申請を同じ日に進める。

報酬は自由化されているため、事務所によって差がある。金額は見積りで確かめられる。

売買・契約

借地権 しゃくちけん

建物を所有する目的で、他人の土地を借りる権利。土地は地主のもので、建物だけを所有する形になる。

価格は所有権の物件より安いが、地代が毎月かかり、契約の更新時に更新料、建て替えや譲渡には地主の承諾料が必要になることが多い。融資も付きにくい。

1992年施行の借地借家法による新法の借地権と、それ以前の旧法の借地権では、存続期間や更新の扱いが違う。中古で取得する場合、どちらの借地権かは必ず確認する。

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借賃増減請求権 しゃくちんぞうげんせいきゅうけん

賃料が不相当になったときに、当事者の一方から将来に向かって増額または減額を請求できる権利。借地借家法32条にある。

理由として条文が挙げるのは、租税その他の負担の増減、土地建物の価格の変動その他の経済事情の変動、近傍同種の建物の借賃との比較である。契約の条件にかかわらず請求できる。ただし一定の期間は賃料を増額しない旨の特約があるときは、その定めに従う(1項ただし書)。★増額しない特約は条文が認めているが、減額しない特約については条文に書かれていない。

協議が調わないときは、裁判が確定するまで、請求を受けた側は相当と認める額を払えばよい。ただし確定後に不足があれば、その不足額に年1割の利息を付けて払う(2項ただし書)。減額の場合も、払われすぎた分に年1割を付けて返す(3項ただし書)。

サブリースの保証賃料が下がりうるのも、この権利による。

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斜線制限 しゃせんせいげん

建物の高さを、道路や隣地からの距離に応じて制限する決まり。建築基準法56条にある。

3種類ある。道路斜線(前面道路の反対側の境界線から)、隣地斜線(隣地境界線から)、北側斜線(真北方向の境界線から)。北側斜線は、低層住居専用地域・田園住居地域・中高層住居専用地域で適用される。

★建ぺい率と容積率を満たしていても、建てられないことがある。 上限まで床面積を取れる前提で計算すると、実際には斜線で削られて入らない。

上の階が斜めに欠けた形の建物は、この制限の結果である。土地を買う前に、建てたい形が入るかを設計者に確かめること。

法律・制度

修繕積立金 しゅうぜんつみたてきん

区分所有のマンションで、外壁や屋上防水、給排水管といった大規模修繕に備えて毎月積み立てる金銭。日常の清掃や点検に充てる管理費とは別の資金である。

築年数とともに上がるのが通常である。 長期修繕計画にもとづいて段階的に引き上げる方式が広く使われており、いまの額が35年続く前提は現実的ではない。国土交通省がガイドラインを出しており、長期修繕計画の事例から専有面積あたりの目安を示している。同じガイドラインは、月6,000円が30年後に月21,000円になる例も挙げている。

★滞納がある部屋を買うと、その滞納分を引き継ぐ。建物の区分所有等に関する法律8条により、管理組合は滞納者の特定承継人に対しても請求できる。買う前に、管理組合へ滞納の有無を確かめる必要がある。

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取得費 しゅとくひ

譲渡所得を計算するときに、売った金額から差し引く「その物を手に入れるのにかかった額」。購入代金のほか、仲介手数料、登記費用、不動産取得税なども含まれる。

★建物については、保有している間の減価償却費に相当する額を差し引く。 長く持つほど取得費は小さくなり、その分だけ譲渡所得が大きくなる。保有中に減価償却で減らした税の一部が、売却時に戻ってくる形になる。

買ったときの契約書が無く実額が分からない場合は、売った金額の5%を取得費とみなすことができる。★これは条文そのものではない。 租税特別措置法31条の4が5%を定めているのは、昭和27年12月31日以前から引き続き所有していたものについてである。それ以外に広く使われている5%は、同じ扱いを準用する通達(措通31の4-1)による。いずれにせよ5%は多くの場合きわめて不利になる。古い売買契約書と領収書は、売るその日まで捨てないほうがよい。

税金

取得費加算 しゅとくひかさん

相続した財産を一定期間内に売ったとき、納めた相続税のうち対応する額を取得費に加算できる制度。租税特別措置法39条にある。

取得費が大きくなるので、譲渡所得が小さくなり、譲渡所得税が軽くなる。

要件は3つ。相続や遺贈で財産を取得したこと、その人に相続税が課されていること、相続開始の翌日から相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までに譲渡すること。

★加算できるのは、この特例を使わずに計算した譲渡益が上限である。譲渡益より多くは加算できないので、税額をマイナスにすることはできない。

★空き家特例(措置法35条3項)とは併用できない。 35条3項が39条の適用を受けるものを対象から除いている。

税金

小規模宅地等の特例 しょうきぼたくちとうのとくれい

相続した宅地について、相続税の課税価格に算入する額を大きく下げる制度。租税特別措置法69条の4にある。

★条文は、課税価格に算入する額を評価額に100分の20を乗じた金額としている。「8割減額」は同じことの言い換えである。

特定居住用宅地等は330㎡まで、特定事業用宅地等は400㎡まで、課税価格が2割になる(8割減)。貸付事業用宅地等は200㎡まで、5割になる(5割減)。

★限度面積を超えた部分には効かない。 400㎡の自宅なら330㎡分にしか効かず、減額は評価額の8割ではなく「8割 × 330÷400」になる。

要件は面積だけではない。誰が取得したか、申告期限まで持ち続けたか、同居していたか。区分ごとに違うので、個別の判定は国税庁のページで確かめること。

税金

諸費用ローン しょひようろーん

仲介手数料、登記費用、火災保険料、不動産取得税といった購入時の諸費用にあてる借入。物件価格のローンとは別枠で組まれることが多い。

物件を担保にできない部分の借入になるため、金利は物件のローンより高く設定されるのが通常である。期間も短いことが多い。

これを使うと、手元の現金をほとんど出さずに購入できる。一方で、借入の総額は物件価格を超える。売却時に価格が残債に届かない状態が、より長く続くことになる。

諸費用は物件価格の数パーセントにおよぶ。その額を現金で用意できないなら、購入後の空室や修繕にも備えがないということでもある。借りられるかどうかとは別に、確かめておく価値がある。

ローン・お金

心理的瑕疵 しんりてきかし

建物や設備そのものに欠陥は無いが、そこで起きた出来事のために心理的な抵抗が生じる事情。過去に人が亡くなった事実などを指す。

物理的な欠陥ではないため、見ても分からない。だからこそ告げられるかどうかがすべてになる。契約の内容に適合しないとして、契約不適合責任が問題になることもある。

国土交通省は、宅地建物取引業者が人の死についてどのように告げるべきかの考え方をガイドラインとして示している。自然死や日常生活の中での不慮の事故は原則として告げなくてよいこと、賃貸では概ね一定の期間を経過した後は告げなくてよいとされることなど、場合分けがされている。

売買と賃貸で扱いが違う。気になるなら、告知事項の有無を書面で確認するのが確実である。

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事前審査 じぜんしんさ

物件の購入を申し込む前後に受ける、簡易な融資の審査。仮審査ともいう。

年収・勤務先・勤続年数・他の借入といった申告内容をもとに、借りられる見込みがあるかを短期間で判断する。

★事前審査が通っても、本審査で落ちることがある。 事前は申告ベース、本審査は書類と物件の担保評価まで見るためである。申告と実際の借入額が違った、健康上の理由で団信に入れなかった、物件の担保評価が届かなかった。いずれも本審査の段階で出てくる。

だからこそローン特約の期限が意味を持つ。

ローン・お金

実質利回り じっしつりまわり

年間の家賃収入から運営経費を引いた額を、物件価格や取得価格で割った利回り。ネット利回りともいう。

★表面利回りとの差は、経費をどこまで入れたかで決まる。 管理費・修繕積立金・管理手数料・固定資産税・空室のぶん。これらを入れないまま「利回り」と書かれた数字は、表面利回りである。

分母も2通りある。物件価格で割れば販売資料と前提が揃うので比較に使え、諸費用を含めた取得価格で割れば実際に投じた額に対する数字になる。資料の数字と自分の計算を比べるときは、必ず同じ分母どうしで比べる。

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実測売買 じっそくばいばい

測量した面積にもとづいて代金を確定させる取引の方法。登記簿の面積との差を、1平方メートルあたりの単価で精算する。

売主の負担で確定測量を行い、隣地の所有者の立会いのもとで境界を確認したうえで引き渡すのが一般的である。境界標が入り、境界確認書が作られる。

買主にとっては、面積と境界の両方が確定した状態で引き渡される利点がある。売る側に回ったときも、測量済みであることは有利に働く。

一方で、測量には費用も期間もかかる。隣地の所有者が不明であったり、立会いに応じなかったりすると、決済の日程に影響する。契約時に測量の期限をどう定めるかが実務上の要点になる。

売買・契約

住宅用地の特例 じゅうたくようちのとくれい

住宅の敷地について、固定資産税の課税標準を下げる仕組み。地方税法349条の3の2にある。

200㎡以下の部分(小規模住宅用地)は価格の6分の1、それを超える部分は3分の1になる。

★外れることがある。空家等対策特別措置法にもとづき、管理不全空家等または特定空家等として勧告を受けた土地は、条文上「住宅用地」から除かれる。 指導の段階ではまだ外れない。

外れても税が必ず6倍になるわけではない。固定資産税には土地30万円の免税点があり、評価額の小さい土地では特例が効いている間そもそも課税されていないためである。

税金

住宅ローン控除 じゅうたくろーんこうじょ

住宅を取得するために借りた金の年末残高に応じて、所得税から一定額を差し引く制度。正式には住宅借入金等特別控除といい、租税特別措置法41条にある。

条文で確かめられる骨格は3つある。借入の償還期間が10年以上であること、その年の合計所得金額が2,000万円以下であること、取得の日から6か月以内に住んでいることである。

控除額は「年末残高と借入限度額の小さいほう × 0.7%」。借入限度額と控除期間は、住宅の省エネ性能・新築か中古か・世帯で決まる。令和8年から令和12年までの入居は同じ表で、認定住宅等なら中古でも13年になる。

★広告に出る「最大◯◯万円」は、借入限度額いっぱいの残高が続き、その全額を引ける税を納めている人の数字である。 実額は住宅ローン控除の計算機で出せる。

★償還期間の要件は、繰上返済にも効く。期間短縮型で残りが10年未満になると、そこで控除は終わる。

★3,000万円特別控除とは併用できない。 前の家を売って買い替えるときに、正面からぶつかる。

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重要事項説明 じゅうようじこうせつめい

宅地建物取引業者が契約の前に、宅地建物取引士をして買主・借主へ行わせる説明。宅建業法35条が、説明すべき事項と書面の交付を義務づけている。

義務を負うのは業者である。個人どうしの売買では行われない。

説明は契約より前に行われなければならない。同じ日に続けて行われることが多いが、内容を確かめる時間が要るなら、日を分けてもらうよう求めてよい。記名した書面が残るため、後から「聞いていない」とは言いにくくなる。分からない箇所はその場で聞くほうが確実である。

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譲渡所得 じょうとしょとく

土地や建物を売ったときの所得。給与など他の所得とは分けて課税される(分離課税)。

計算は「収入金額 −(取得費 + 譲渡費用)」で行う。ここで注意がいるのが取得費で、建物部分は減価償却費相当額を差し引いた後の金額になる。保有中に減価償却を多く計上したほど、取得費は小さくなり、譲渡所得は大きくなる。

所有期間が5年を超えるかどうかで長期・短期に分かれ、税率が変わる(租税特別措置法31条・32条)。★判定は売った日ではなく、売った年の1月1日時点で行う。

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正当事由 せいとうじゆう

貸主の側から建物の賃貸借を終わらせるために必要な理由。借地借家法28条にある。

条文が挙げる考慮要素は4つである。貸主と借主の双方が建物の使用を必要とする事情、賃貸借に関する従前の経過、建物の利用状況と現況、そして明渡しの条件として貸主が申し出た財産上の給付である。

要点は、双方の事情を比べる形になっていることにある。貸主に事情があっても、借主の事情のほうが重ければ足りない。

期間が満了しても、更新しない旨の通知に正当事由が無ければ、契約は同じ条件で更新されたものとみなされる(26条1項)。期間が来たから出ていってもらえる、という仕組みにはなっていない。

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積算価格 せきさんかかく

原価法によって求めた試算価格。不動産鑑定評価基準が「価格時点における対象不動産の再調達原価を求め、この再調達原価について減価修正を行って対象不動産の試算価格を求める手法」と定め、その試算価格を積算価格と呼んでいる。

★金融機関が融資審査で言う「積算」は、これとは別物である。 土地は路線価などで、建物は内規の再調達単価に残存年数の割合を掛けて簡便に出す。その単価は公表されていない。

収益から逆算する収益価格(収益還元法による試算価格)とは、別の物差しである。家賃が高くても、土地が狭く建物が古ければ積算は伸びない。

★この差が、融資が付くかどうかを分けることがある。自分が現金で買えても、次に買う人がローンを組めなければ、売るときに苦労する。

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セットバック せっとばっく

幅員が4mに満たない道に接した敷地で、建物を建てるときに道の側へ下がること。下がった部分は敷地として使えなくなる。

根拠は建築基準法42条2項である。この章の適用が始まった時点で建物が立ち並んでいた幅員4m未満の道のうち、特定行政庁が指定したものは道路とみなされ、その中心線から水平距離2mの線が道路の境界線とみなされる。 反対側が崖地・川・線路敷地であれば、その側の境界線から4mの線が境界線になる。

下がった部分には建物も塀も置けず、建ぺい率・容積率を計算する敷地面積からも外れる。同じ地番でも、実際に建てられる大きさが小さくなる。

法律・制度

接道義務 せつどうぎむ

建築基準法上、建物の敷地は幅員4m以上の道路に2m以上接していなければならない、という決まり。

満たさない土地には原則として建物を建てられない。既存の建物が建っていても、取り壊すと再建築できない(再建築不可)。

道路の幅が4mに満たない場合、道路の中心線から2m下がった線を境界とみなす「セットバック」が求められることがある。その部分には建物を建てられず、実質的に使える面積が減る。売買では重要事項説明で説明される。

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専有面積 せんゆうめんせき

区分所有のマンションで、その部屋の持ち主が単独で使える部分の面積。

★測り方が2つあり、数字が違う。

壁芯(へきしん)は壁の中心線で囲んだ面積で、販売図面やパンフレットはこちらを使う。内法(うちのり)は壁の内側で測った面積で、登記簿の表題部はこちらである。 内法のほうが小さくなる。

★ここが判断に効く場面がある。住宅ローン控除など、床面積で線を引く制度は、登記簿上の面積、つまり内法で判定する。租税特別措置法施行令26条1項の50㎡がその例である。図面で50㎡を超えていても、登記簿では下回ることがある。

不動産投資

0円住宅 ぜろえんじゅうたく

無償で譲り渡される空き家。自治体の空き家バンクや、個人のあいだで出てくる。

価格が0円でも、受け取るときに贈与税・不動産取得税・登録免許税がかかり、その後は固定資産税が続く。0円なのは価格だけである。

管理を怠って空家等対策特別措置法にもとづく勧告を受けると、住宅用地の特例(地方税法349条の3の2)が外れる。ただし土地の課税標準が30万円未満なら免税点で課税されないため、評価額の小さい土地ほど「6倍になる」という説明から外れる。

「新築が実質0円」という別の商法も、同じ名前で呼ばれることがある。方向が逆なので、まずどちらの話かを分ける必要がある。

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善管注意義務 ぜんかんちゅういぎむ

善良な管理者の注意をもって物を保存する義務。民法400条にある。借主は借りている部屋を、この程度の注意をもって使わなければならない。

原状回復の分かれ目がここにある。民法621条は、賃借人が原状に復する義務を負うのは受け取った後に生じた損傷についてとしたうえで、通常の使用によって生じた損耗と経年変化を、はっきり除いている。

日焼けによる壁紙の変色や、家具を置いたことによる床のへこみは通常損耗にあたるとされる。一方、結露を放置して広がったカビや、掃除を怠って固着した汚れは、善管注意義務を果たしていないとして借主の負担とされることが多い。

★分かれ目は「使ったかどうか」ではなく「注意を払ったかどうか」にある。

賃貸

相続税の基礎控除 そうぞくぜいのきそこうじょ

相続税を計算するとき、課税価格の合計額から差し引く額。ここを超えなければ相続税はかからず、申告も要らない。

3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数。 配偶者と子2人なら4,800万円である(相続税法15条1項)。

★数え方に2つの注意がある。相続を放棄した人も、放棄がなかったものとして数に入れる(15条2項)。また養子は、実子がいる場合は1人、実子がいない場合は2人までしか数に入れられない。

課税価格は、遺産の総額から小規模宅地等の特例による減額と、債務・葬式費用を引いた後の額である。

税金

想定利回り そうていりまわり

すべての部屋が埋まっている前提で計算した利回り。満室想定利回りともいう。

販売資料に載っている利回りは、この想定利回りであることが多い。実際には空室がある物件でも、満室と仮定して計算される。

対になるのが現況利回りで、いま実際に入っている家賃で計算する。同じ物件でも、想定と現況では数字が変わる。

見るべきは3点。どちらの利回りか。家賃は現在の相場と合っているか。空室はいつからか。 レントロールを見れば、部屋ごとの家賃と契約時期が分かる。相場より高い家賃で古い契約が残っていれば、入れ替わったときに下がる。

不動産投資

損益通算 そんえきつうさん

ある所得の赤字を、他の所得の黒字から差し引くこと。不動産所得の赤字は、給与所得などと通算できる。

投資用不動産の販売で「節税になる」と説明されるのは、この仕組みを指す。減価償却などで不動産所得が赤字になれば、課税所得が減り、源泉徴収された税の一部が還付される。

還付額は課税所得の水準で変わる。 他の人の事例をそのまま当てはめても意味がない。なお、土地取得のための借入金の利子に対応する部分は、損益通算の対象から除かれる。

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造作買取請求権 ぞうさくかいとりせいきゅうけん

借主が貸主の同意を得て建物に取り付けた造作を、賃貸借の終了時に時価で買い取るよう請求できる権利。借地借家法33条にある。畳や建具のほか、エアコンや給湯設備が問題になる。

★注意すべき点が2つある。

1つは、同意を得ていることが要件であること。勝手に付けたものは対象にならない。

もう1つは、特約で排除できることである。借地借家法37条が強行規定としているのは31条・34条・35条だけで、33条は入っていない。実際の賃貸借契約書には、造作買取請求権を放棄する条項が置かれていることが多い。

契約書にその条項があれば、同意を得て付けたものでも買い取ってもらえない。取り付ける前に契約書を見ておく必要がある。

賃貸

た

退去立会 たいきょたちあい

退去のときに、貸主や管理会社の担当者と一緒に室内を確認する手続き。原状回復の負担をどう分けるかが、ここで話題になる。

注意すべきは、その場で金額に合意する必要は無いという点である。示された内容に納得できなければ、確認書に署名しないという選択ができる。署名した後で覆すのは難しくなる。

やっておく価値があるのは記録である。入居のときと退去のときの両方を、日付の分かる形で写真に残す。傷や汚れの位置を、部屋ごとに撮っておく。

国土交通省のガイドラインは、通常の使用による損耗と経年変化は貸主の負担とする考え方を示している。何が借主の負担になるかは、この基準と契約の特約を突き合わせて判断する。

賃貸

耐用年数 たいようねんすう

減価償却の計算に使う、法律上の年数。実際に建物が使える年数ではなく、取得価額を何年に分けて費用にするかを決めるための年数である。

住宅用の建物では、木造22年、鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄筋コンクリート造47年などと定められている(減価償却資産の耐用年数等に関する省令)。

中古を買った場合は、経過年数に応じて短くする簡便法がある。耐用年数が短いほど1年あたりの減価償却費は大きくなるが、償却が終わるのも早い。 終われば経費が減り、帳簿上の所得が増える。

税金

宅地建物取引業者 たくちたてものとりひきぎょうしゃ

宅地建物取引業の免許を受けて、不動産の売買や仲介を業として行う者。宅建業者と略される。

免許は国土交通大臣または都道府県知事が出す。事務所には標識を掲げる義務があり、免許番号と有効期間が書かれている。番号の括弧の中の数字は更新の回数で、営業年数の目安になる。

売主が宅建業者かどうかで、買主が受けられる保護の範囲が変わる。 手付の額の上限や、契約不適合責任の特約の制限は、業者が自ら売主となる場合の規定である。契約書の売主欄で確かめられる。

売買・契約

但し書き道路 ただしがきどうろ

建築基準法上の道路に接していない敷地でも、例外として建築が認められる場合の、その通路を指す通称。

かつて43条の但し書きにあったため、この呼び方が残っている。2018年の改正で2項へ移り、いまは2つに分かれている。

1号は、幅員4m以上の道に2m以上接し、利用者が少数であるものについて、特定行政庁が支障がないと認める認定。2号は、敷地の周囲に広い空地があるものなどについて、特定行政庁が建築審査会の同意を得て行う許可である。

いずれも敷地ごとの判断であり、一度認められたからといって、次も同じとは限らない。 再建築できる前提で買うなら、購入の前に特定行政庁へ確かめる必要がある。

法律・制度

立退料 たちのきりょう

建物の明渡しにあたって、貸主が借主へ払う金銭。引越しの費用、移転先との賃料の差、営業の補償などが中身になる。

借地借家法28条は、明渡しの条件として、または明渡しと引換えに財産上の給付をする旨の申出があった場合に、それを正当事由の判断で考慮するとしている。

★ここが読み違えられやすい。立退料は正当事由を補う一要素であって、それ単独で明渡しを成立させるものではない。 貸主の側に使用の必要がまったく無ければ、いくら積んでも正当事由にはならないと解されている。

逆に、貸主の事情がある程度あって借主の事情も重い、という場面では、金額が結論を分けることがある。相場が決まっている性質の金銭ではない。

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短期譲渡所得 たんきじょうとしょとく

土地や建物を売ったときの譲渡所得のうち、所有期間が短いものとして扱われる区分。長期より税率が高い。

売った年の1月1日時点で所有期間が5年以下の場合が該当する(租税特別措置法32条)。売った日で数えるのではない点が、実務でよく取り違えられる。

短期の税率が重いのは、短期間での転売による利益を抑える政策的な意図があるとされる。裏を返せば、5年を超えるまで持つことに税制上の理由があるということでもある。

買ってすぐ売る前提の計画は、この差を織り込んでおく必要がある。減価償却が4年で終わる築古物件などは、赤字が消える時期と長期に切り替わる時期がずれる。保有中の節税と出口の税を、同じ表の上に並べて見るほうが判断しやすい。

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代位弁済 だいいべんさい

借主が返済できなくなったとき、保証会社が金融機関へ代わりに全額を支払うこと。

★借金が消えるわけではない。 支払った保証会社は借主に対して求償権を取得する。債権者が金融機関から保証会社へ移るだけである。

しかも移った後のほうが厳しくなることが多い。分割の話し合いに応じてもらえず、遅延損害金が加算され、抵当権が実行されて競売へ進む。

住宅ローンでも家賃債務保証でも構造は同じである。「立て替えてもらえた」ではなく「請求してくる相手が変わった」と読むこと。

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大規模修繕 だいきぼしゅうぜん

マンションで、足場を組んで建物全体に手を入れる工事。外壁の補修や塗装、屋上の防水、鉄部の塗装などをまとめて行う。

おおむね12年から15年の周期で行われることが多く、長期修繕計画に組み込まれている。1回あたりの費用が大きいため、修繕積立金が足りるかどうかがここで表面化する。

足りない場合は、一時金の徴収、金融機関からの借入、工事の先送りのいずれかになる。先送りすると劣化が進み、次の工事費がさらに大きくなる。

不動産投資

団体信用生命保険 だんたいしんようせいめいほけん

団信(だんしん)と略される。ローンの契約者に万一のことがあった場合、保険金でローンの残債が返済される保険。

投資用不動産の販売で「生命保険の代わりになる」と説明されるのは、この仕組みを指す。事実ではある。

比較すべきは、同じ保障額を掛け捨ての生命保険で買った場合の保険料である。手出しの総額と保険料を並べて初めて、どちらが安いかが分かる。加えて、残るのは現金ではなく物件であり、売れなければ現金にならない点も違う。

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地役権 ちえきけん

自分の土地の便益のために、他人の土地を使う権利。民法280条にある。使わせる側の土地を承役地、便益を受ける側を要役地という。

不動産で出てくるのは、他人の土地を通って公道へ出る通行地役権と、水道管やガス管を通すための地役権である。

登記できるが、登記されていないことも多い。 登記が無くても当事者のあいだでは有効なので、登記簿だけを見て通れないと判断すると外れる。逆に、長く通っていた事実だけで当然に権利になるわけでもない。

接している道が私道なら、通行と掘削の承諾がどう取られているかを、売買の前に確かめておく必要がある。

法律・制度

地目 ちもく

土地の用途による区分。登記簿の表題部に記録される登記事項である(不動産登記法34条1項3号)。

宅地、田、畑、山林、雑種地、公衆用道路など。

★現況と一致しているとは限らない。 住宅地の中に、登記簿の地目が「田」のままの土地がある。この場合、宅地にするには農地転用の手続きが要り、許可を受けないでした行為は効力を生じない(農地法5条5項)。代金を払っても所有権が移らない。

また地目が「公衆用道路」でも、建築基準法上の道路とは限らない。登記の話と建築の話は別である。

地目は登記事項証明書の表題部で確かめられる。

法律・制度

中間省略登記 ちゅうかんしょうりゃくとうき

A→B→Cと所有権が移った取引で、中間のB名義の登記を省き、AからCへ直接登記すること。

2005年3月施行の不動産登記法で、申請の際に登記原因証明情報の提供が必要になり、事実上できなくなった。書類の上で中間者を消せなくなったためである。

いま同じ経済的な効果を得るために使われるのが、民法537条の「第三者のためにする契約」による三為契約である。所有権をBへ移さないので、そもそも省略すべき登記が生じない。

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長期修繕計画 ちょうきしゅうぜんけいかく

マンションで、将来必要になる修繕の内容・時期・費用を見積もった計画。修繕積立金の額は、これをもとに決まる。

国土交通省は、30年以上の期間を対象とし、大規模修繕工事が2回含まれる計画とすることを目安として示している。おおむね5年ごとに見直すこととされている。

買う前に見せてもらえる。 販売資料に載っている修繕積立金の額が今後どう上がる想定かは、この計画に書かれている。管理組合が作るものなので、中古では管理会社を通じて確認する。

不動産投資

長期譲渡所得 ちょうきじょうとしょとく

土地や建物を売ったときの譲渡所得のうち、所有期間が長いものとして扱われる区分。短期より税率が低く抑えられている。

判定の基準日に独特の決まりがある。売った日ではなく、売った年の1月1日時点で所有期間が5年を超えているかどうかで判断する。

2020年6月に取得した物件を2025年7月に売った場合、実際の保有期間は5年1か月だが、2025年1月1日の時点では4年7か月なので短期になる。翌年に売れば長期である。

数か月ずらすだけで税率が変わる。 売却の時期を選べる立場にあるなら、まずここを確かめる価値がある。買主が決まってから気づくと、選択肢が狭まる。具体の税率は国税庁の案内で確認する。

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賃貸借の対抗力 ちんたいしゃくのたいこうりょく

借りている建物が売られても、借主がそのまま住み続けられること。

借地借家法31条は、建物の賃貸借はその登記がなくても、建物の引渡しがあったときは、その後その建物について物権を取得した者に対し効力を生ずる、と定めている。

★登記は要らない。引渡しを受けていれば足りる。 借主が賃借権の登記をすることは実際にはほとんど無いので、この規定が無ければ買主に対抗できないことになる。

だからオーナーチェンジで買った側は、賃貸借契約をそのまま引き継ぐ。「買ったから出ていってもらう」はできない。 敷金の返還義務も、新しい所有者へ移る。

賃貸

つなぎ融資 つなぎゆうし

住宅ローンが実行されるまでの間、一時的に借りる融資。注文住宅で使われる。

住宅ローンは建物の完成・引渡しと同時に実行されるのが原則である。ところが注文住宅では、着工金・中間金を工事の途中で払う必要がある。その時点ではまだローンが下りていない。

★この間の利息と事務手数料は、住宅ローンとは別にかかる。建物の代金には含まれておらず、諸費用の見積りからも落ちやすい。

金融機関によって扱いが違い、そもそも取り扱っていないこともある。土地の決済と着工の時期が決まった段階で、借入先に確かめておくこと。

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定期借家 ていきしゃっか

契約期間が満了すると、更新されずに確定的に終了する賃貸借契約。定期建物賃貸借ともいう。

普通借家契約では、貸主が更新を拒むには正当な事由が要り、実際には認められにくい。定期借家にはその制約が無く、期間が来れば終わる。

成立には要件がある。書面(電磁的記録を含む)で契約すること、そして契約前に「契約の更新がなく、期間の満了により当該建物の賃貸借は終了すること」について、その旨を記載した書面を交付して説明することである。この説明を欠くと、定期借家としての効力が認められない。

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抵当権 ていとうけん

お金を貸した側が、返済されない場合に不動産を競売にかけて優先的に回収できる権利。登記簿の権利部(乙区)に記載される。

中古物件の売買では、売主のローンが残っていて抵当権が付いたままのことが多い。決済の日に、売買代金でローンを完済し、抵当権抹消の登記を同時に申請する。抹消されないまま引渡しを受けると、売主の借金のために自分の物件が競売にかけられうる。

登記事項証明書の乙区を見れば、誰がいくらの債権を持っているかが分かる。

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手出し てだし

不動産投資で、家賃収入だけでは返済と経費をまかなえず、毎月自分の財布から払う不足分。持ち出しともいう。

販売資料では月額で示される。月1万円なら小さく聞こえるが、35年では420万円になる。どちらも同じ金額である。

手出しがあること自体が悪いわけではない。売却時の価格が残債を十分に上回れば、通算では利益が出ることもある。問題になるのは、総額を知らないまま契約するほうである。

家賃は築年数とともに下がりやすく、修繕積立金は計画にもとづいて上がる。何もしなければ、手出しは増える方向へ動く。

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手付金 てつけきん

売買契約のときに買主が売主へ渡す金銭。特約がなければ解約手付とされ、相手方が契約の履行に着手するまでは、買主は手付を放棄し、売主はその倍額を現実に提供して契約を解除できる(民法557条1項)。

売主が宅建業者で買主が業者でない場合、手付の額は代金の2割を超えられない。またその手付がいかなる性質のものであっても、上と同じ形で解除できる。これに反して買主に不利な特約は無効になる(宅建業法39条)。

手付金は代金の一部に充てられるのが通常で、支払いが増えるわけではない。ただし解除すれば戻らない。

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出口戦略 でぐちせんりゃく

保有している不動産を、いつ、いくらで、誰に売るかの計画。

不動産投資の損益は、保有中の収支と売却時の損益を合わせて初めて確定する。毎月の収支が黒字でも、売却価格が残債に届かなければ通算では損になる。逆に毎月持ち出しがあっても、売却でそれを上回れば成り立つ。

買う前に決めておく価値があるのは、次に売る人が誰かである。 融資が付きにくい物件は、現金で買える人にしか売れない。再建築不可、築古、狭小。利回りが高いのは、この売りにくさの裏返しでもある。

売った年の1月1日時点で所有期間が5年を超えるかどうかで、譲渡所得の税率が変わる点も(租税特別措置法31条・32条)、時期を決めるときの材料になる。

不動産投資

登記事項証明書 とうきじこうしょうめいしょ

登記簿に記録されている内容を、法務局が証明する書面。かつて「登記簿謄本」と呼ばれていたものにあたる。

所有者の許可は要らない。 誰でも、どの不動産についても請求できる。法務局の窓口でも、オンラインでも取れる。

読むところは大きく3つある。表題部(どこに、どれだけの広さで存在するか)、甲区(所有権。誰が持っているか、差押えがあるか)、乙区(所有権以外の権利。抵当権など)である。

売買では、契約より前に自分で取れる数少ない資料のひとつになる。共同担保目録を付けて請求すると、同じ借入の担保になっている他の不動産まで分かる。

売買・契約

登録免許税 とうろくめんきょぜい

登記を申請するときに国へ納める税。所有権の移転、保存、抵当権の設定などにかかる。

税額は「課税標準 × 税率」で決まり、課税標準には固定資産税評価額を用いる。住宅用家屋には軽減措置がある。

三為契約で中間業者が所有権を取得しない形をとるのは、この税と不動産取得税を省けるためである。登記の名義人にならなければ、どちらも課税の要件を満たさない。

税金

都市計画税 としけいかくぜい

市街化区域内の土地・家屋の所有者に課される目的税。都市計画事業や土地区画整理事業の費用にあてられる。

固定資産税とあわせて1通の納税通知書で届くことが多いため、まとめて固都税と呼ばれる。課税されるのは1月1日時点の所有者という点も固定資産税と同じである。

税率は0.3%を超えることができない(地方税法702条の4)。その範囲で市町村が条例で決める。市街化区域の外では課されない。 市街化調整区域や、都市計画区域外の物件では、この税がそもそも無い。

住宅用地の特例は都市計画税にもあるが、軽減の幅は固定資産税とは異なる。収支に入れるときは、課税明細書で固定資産税と都市計画税を分けて読む。合算した額だけを見ていると、内訳が分からないまま計算することになる。

税金

な

入居審査 にゅうきょしんさ

申込みを受けた借主に貸してよいかを、貸主・管理会社・保証会社が判断する手続き。

見られるのは、家賃を払い続けられるかという一点である。収入と家賃の釣り合い、勤務先と勤続年数、雇用の形態、過去の家賃の支払いの状況。家賃は月収の3分の1程度までという目安が使われることが多い。

保証会社を使う場合、その会社の審査も別に行われる。過去の立替えの記録が保証会社の間で共有される仕組みがあり、以前の滞納が影響することがある。

落ちた理由は原則として伝えられない。伝えるとその条件を避けて再申込みされるためである。心当たりがあるなら、保証会社の系統が違う物件を選ぶことで結果が変わることもある。

賃貸

根抵当権 ねていとうけん

一定の範囲に属する不特定の債権を、極度額の限度で担保する抵当権。民法398条の2に定めがある。

通常の抵当権が特定の1本の借入を担保するのに対し、根抵当権は継続的な取引から生じる借入をまとめて担保する。返済しても枠が残るため、繰り返し借りる事業者が使う。

売買で問題になるのは抹消の手続きである。消すには先に元本を確定させる必要があり、通常の抵当権より時間がかかることがある。

登記には債権額ではなく極度額が記録される。借入額の1.1〜1.2倍で設定されることが多く、実際の残高とは一致しない。共同担保目録に売主の他の物件が並んでいる場合、その物件だけを外す交渉が要る。決済日までに段取りが付いているかを、早めに確かめる。

ローン・お金

納税通知書 のうぜいつうちしょ

市町村が、固定資産税や都市計画税の税額を知らせる書面。毎年、4月から6月ごろに所有者へ届く。

課税明細書が同封されている。 そこに、土地と家屋それぞれの評価額、課税標準額、税額が書かれている。★収支の計算では、概算ではなくこの実額を使う。

評価額に不服がある場合の審査の申出は、この通知書の交付を受けた日から数える(地方税法432条1項)。届いたらまず日付を見る。捨てずに保管しておくと、売るときの費用の計算にも使える。

税金

農地転用 のうちてんよう

農地を農地以外のものにすること。農地法の許可が要る。

自分の農地を自分で転用するなら4条、転用する目的で売買や貸借をするなら5条で、いずれも都道府県知事等の許可を受けなければならない。許可を受けないでした行為は、効力を生じない(5条5項)。代金を払っても所有権が移らず、登記もできない。

ただし市街化区域内の農地は、あらかじめ農業委員会へ届け出れば許可は要らない(5条1項6号)。

住宅地の中にも、登記簿の地目が農地のままの土地がある。地目は登記事項証明書の表題部で確かめられる。

法律・制度

は

配偶者の税額軽減 はいぐうしゃのぜいがくけいげん

配偶者が相続した財産のうち、一定の額までは相続税がかからない制度。相続税法19条の2にある。

課税価格の合計に配偶者の法定相続分を掛けた額と、1億6,000万円の、大きいほうまで軽減される。

★一次相続だけを見れば、配偶者が全部取得すると税額を0にできる場合が多い。 説明がここで終わることが多いが、その財産は配偶者が亡くなったときにもう一度課税される。

しかも二次相続では相続人が1人減るので基礎控除が600万円下がり、この軽減も使えず、法定相続分で分けた累進の緩和も効かない。一次と二次の合計で見ないと、有利かどうかは決まらない。

税金

媒介契約 ばいかいけいやく

不動産の売買や賃貸を仲介してもらうために、宅地建物取引業者と結ぶ契約。3種類ある。

  • 一般媒介 … 複数の業者に同時に依頼できる。レインズへの登録義務なし
  • 専任媒介 … 1社にのみ依頼する。自分で見つけた相手とは直接契約できる
  • 専属専任媒介 … 1社にのみ依頼し、自分で見つけた相手とも直接契約できない

専任・専属専任には、指定流通機構(レインズ)への登録と、業務処理状況の報告が義務づけられている。売主から見ると、専任のほうが業者は動きやすいが、他社の買主に情報が回りにくくなる面もある。

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表面利回り ひょうめんりまわり

年間の家賃収入を物件価格で割った利回り。経費を一切引かない。グロス利回りともいう。

広告や販売資料に「利回り◯%」とだけ書かれている場合、ほぼこの表面利回りを指す。計算に必要な数字が2つしかないため誰でもすぐ出せる反面、管理費・修繕積立金・税・空室がまったく反映されない。

物件どうしを同じ前提で並べるには使えるが、手元にいくら残るかは分からない。判断には実質利回りを使う。

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付帯設備表 ふたいせつびひょう

引渡しの対象になる設備と、その不具合の有無を、売主が書き出した書面。物件状況報告書(告知書)と対で使われる。

エアコン、給湯器、食器洗い機、照明、網戸。「有・無」だけでなく「故障・不具合の有無」まで書く形になっているのが通常である。

★ここに「不具合なし」と書かれた設備が引渡し後に壊れていた場合と、「不具合あり」と書かれていた場合とでは、責任の話が変わる。契約不適合責任を追及できるかは、契約の内容に適合しているかで決まるためである。

法令で義務づけられた書面ではないが、実務ではほぼ必ず作られる。署名する前に、1つずつ現物を確かめること。

売買・契約

普通借家 ふつうしゃっか

借地借家法にもとづく通常の建物賃貸借。定期借家と対になる言葉である。

期間が定められていても、貸主から更新を拒むには正当の事由が必要になる(借地借家法28条)。建物を使う必要がある事情、これまでの経過、建物の現況、立退料の申出などが考慮されて判断される。通知しただけでは終わらない。

借地借家法26条1項は、期間満了の1年前から6か月前までの間に更新しない旨の通知が無ければ、従前と同じ条件で更新したものとみなすと定めている。★この場合、期間の定めは無いものになる(同項ただし書)。通知をしていても、期間の満了後に借主が使用を続け、貸主が遅滞なく異議を述べなければ同じ扱いになる(同2項)。

借主の側からは、契約の定めにしたがって解約を申し入れれば足りる。続けるかどうかを実質的に決められるのは借主の側という設計になっている。この非対称が、家賃や条件の交渉にも影響する。

賃貸

不動産取得税 ふどうさんしゅとくぜい

土地や家屋を取得したときに、一度だけ課される都道府県税。売買・贈与・新築・増築が対象で、相続による取得は対象外。

引渡しの数か月後に納税通知書が届くため、購入時の諸費用として見込んでいないと不意打ちになる。忘れたころに来る、という声が多い税である。

住宅とその敷地には軽減措置があり、要件を満たせば税額が大きく下がる。投資用の物件でも、住宅として使われるものは軽減の対象になりうる。

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不動産所得 ふどうさんしょとく

土地や建物を貸して得た所得。所得税法が定める10種類の所得区分のひとつで、給与所得や事業所得とは別に計算する。

総収入金額から必要経費を引いた額である。家賃や共益費、更新料が収入に入り、固定資産税、損害保険料、修繕費、管理費、ローンの利息、減価償却費が経費になる。★ローンの元金返済は経費にならない。

赤字になった場合、他の所得と損益通算できることがある。ただし土地の取得に要した借入金の利子に相当する部分は、通算の対象から除かれる。

税金

フラット35 ふらっとさんじゅうご

住宅金融支援機構と民間の金融機関が提携して扱う、全期間固定金利の住宅ローン。

借入から完済まで金利が変わらない。 返済額が確定するので、家計の見通しが立つ。変動金利より当初の金利は高いのが通常である。

★特徴が2つある。ひとつは住宅の技術基準(断熱・耐震など)への適合が要件であること。適合証明が要る。もうひとつは団体信用生命保険の加入が任意であること。健康上の理由で団信に入れない場合でも借りられる余地がある。

利用者の借入額や返済負担率の分布は、機構が毎年公表している。

ローン・お金

フリーレント ふりーれんと

入居してから一定の期間、賃料を無料にする条件。1〜2か月とするものが多い。

貸主から見れば、賃料の額を下げずに実質的な負担を軽くできる。 表面上の賃料が下がらないので、物件の利回りや次の募集の条件を保てる。

★短期解約違約金とセットになっていることがある。 「2年以内に解約した場合はフリーレント相当額を支払う」といった条項である。無料になった分を、途中で出るときに返す形になる。

契約書の解約に関する条項を、フリーレントの条項と必ず並べて読むこと。

賃貸

フルローン ふるろーん

物件価格の全額を借入でまかなうこと。頭金を入れない借り方である。

手元の現金を減らさずに買えるが、借入残高が価格と同じところから始まるため、当初は売っても残債が残る状態が続く。 元利均等返済では初期ほど元金が減りにくく、この期間は数年におよぶことがある。

税の面でも効いてくる。不動産所得が赤字になっても、土地を取得するための借入金の利子に相当する部分は損益通算の対象から外れる。借入が建物の価格を超えるほど、通算できない部分が大きくなる。

「頭金ゼロで始められる」と「頭金ゼロで持ち続けられる」は別のことである。空室や修繕への備えを、別に用意しておく必要がある。

不動産投資

分譲 ぶんじょう

事業者が土地や建物を区分けして、複数の相手へ売ること。法律上の定義は無く、商慣行の言葉である。

それでも判断に効くのは、分譲という形を取る取引では、売主が宅地建物取引業者になるためである。売主が業者で買主が業者でない売買には、宅建業法の8種制限がかかる。手付は代金の2割まで(39条)、契約不適合責任を負う期間は引渡しから2年以上(40条)、事務所以外で申し込んだならクーリング・オフができる(37条の2)。

個人が売主の中古売買に、これらの制限は適用されない。同じ物件でも、誰から買うかで保護の厚さが変わる。

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返済比率 へんさいひりつ

家賃収入に対する、ローン返済額の割合。投資用不動産で収支の余裕を測るときに使う。

「返済比率50%以下が目安」といった言い方をされることがあるが、この数字だけでは判断できない。管理費・修繕積立金・固定資産税・管理手数料が入っていないためである。返済比率が低くても、経費が重ければ手出しは出る。

住宅ローンで使われる「返済負担率」(年収に対する年間返済額の割合)とは別の指標なので、混同しないこと。

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変動金利 へんどうきんり

市場の金利にあわせて、返済期間の途中で金利が見直される借り方。当初の金利は固定金利より低いことが多い。

住宅ローンでは「5年ルール」「125%ルール」を設ける商品が多い。金利が上がっても5年間は毎月の返済額を据え置き、見直し後も従前の125%までしか上げない、という取り決めである。

返済額が変わらないことと、返済総額が変わらないことは別である。 据え置かれている間、金利の上昇分は利息の割合が増える形で吸収され、元金が減りにくくなる。最終回にまとめて残ることもある。

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ペアローン ぺあろーん

夫婦や親子が、1つの物件についてそれぞれ別のローンを組む形。2本の契約になる。

借入額を大きくできる。2人とも債務者なので、住宅ローン控除も団体信用生命保険も、それぞれが対象になる。その代わり事務手数料や登記の費用は2本分かかり、通常は互いの連帯保証人になる。

似た形に、1本の契約を2人で負う連帯債務型と、1人が借りてもう1人が連帯保証する連帯保証型がある。控除と団信の扱いが3つで違う。

★別れるときに問題になる。売っても残債が残る場合、片方だけを債務から外すには金融機関の承諾が要り、通常は認められない。共有の持分だけを動かしても、ローンは残る。

ローン・お金

保証料 ほしょうりょう

保証会社に保証してもらうために払う金銭。不動産では2つの別物が同じ名前で呼ばれる。

1つは住宅ローンの保証料である。借入時に一括で前払いする方式と、金利へ上乗せする方式がある。一括で前払いした場合、繰上返済で期間が短くなれば経過していない分が戻ることがある。保証料が要らない金融機関もあるが、その多くは事務手数料が高い。総額で比べないと、どちらが安いかは決まらない。

もう1つは家賃債務保証の保証料である。賃貸の契約時に初回分を払い、その後は年ごとに更新の保証料がかかるのが通常である。

★どちらも、払った本人が守られる仕組みではない。 保証会社が代わりに払うのは代位弁済であって、債務が消えるわけではない。払った保証会社は本人へ求償するので、請求してくる相手が変わるだけである。守られているのは、貸した側である。

ローン・お金

募集賃料 ぼしゅうちんりょう

貸主が募集の広告に出している賃料。★実際に契約が成立した賃料(成約賃料)とは限らない。

利回りの計算に募集賃料を使うと、実際より高く出る。値下げして決まった場合や、フリーレント(一定期間の賃料を無料にすること)が付いた場合、手元に入る額はそれより少なくなる。

近隣の水準を調べるときは、募集中の物件の条件を並べれば傾向は分かる。ただし募集が長く続いている物件の賃料は、決まらない額でもある。掲載期間も併せて見る。

不動産投資

や

家賃債務保証 やちんさいむほしょう

借主が賃料を払えなくなったときに、保証会社が貸主へ立て替える仕組み。連帯保証人の代わりとして広く使われている。

借主は保証会社へ初回保証料(賃料の0.5〜1か月分程度)と年次の更新料を払う。立て替えられた分は、後から借主へ請求される。 支払いが免除されるわけではない。

近年は連帯保証人と保証会社の両方を求める契約もある。契約前に、どちらが必要か、費用がいくらかを確認しておく。

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家賃保証 やちんほしょう

空室でも一定額の賃料が支払われる契約。サブリース契約に伴って提示されることが多い。

確認すべきは3点。賃料の見直し条項があるか、見直しの頻度と下限が定められているか、保証額が周辺相場に対していくらか。多くの契約に見直し条項があり、期間の経過とともに保証額が下がることがある。

空室の危険を引き受けてもらう代わりに、賃料の一部を渡す取引である。渡している額を把握していれば判断できる。

不動産投資

容積率 ようせきりつ

敷地面積に対する延べ床面積(各階の床面積の合計)の割合の上限。建築基準法52条1項が用途地域ごとの区分を定め、その範囲で都市計画が数値を決める。

容積率200%で100㎡の敷地なら、延べ床面積は200㎡まで。都市計画で定められた指定容積率のほか、前面道路の幅による制限もあり、道路が狭いと指定容積率まで使えないことがある。

地下室や共用廊下、住宅の車庫には緩和の規定がある。マンションの価値に直結するため、建て替えの余地を見るときの基本的な指標になる。

法律・制度

用途地域 ようとちいき

都市計画法にもとづき、その地域に建てられる建物の種類・用途を定めたもの。住居系・商業系・工業系に分かれ、13種類ある。

建ぺい率・容積率の上限、日影規制、高さ制限などが用途地域ごとに決まる。同じ広さの土地でも、用途地域が違えば建てられる建物の大きさが変わる。

投資の観点では、周辺に何が建ちうるかを知る手がかりになる。いま日当たりが良くても、隣地の用途地域によっては高い建物が建つ余地がある。市区町村の都市計画図で確認できる。

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ら

里道 りどう

道路として使われているが、道路法の適用を受けない道。公図で赤く塗られていたことから赤道(あかみち)・赤線とも呼ばれる。水路(青線)とあわせて法定外公共物という。

道路法3条が挙げる道路は、高速自動車国道・一般国道・都道府県道・市町村道の4つだけである。里道はどれにも当たらないため、建築基準法42条1項1号の「道路法による道路」に該当しない。

★それでも建てられる場合がある。分かれ目は、その里道が42条2項の指定を受けているかである。指定があれば道路とみなされ、セットバックのうえで建てられる。指定が無ければ接道義務を満たさず、原則として建てられない(43条2項の認定・許可という道は残る)。

見た目・幅・舗装の有無では判断できない。 答えられるのは特定行政庁だけなので、市区町村の建築指導課へ道路種別を照会する。管理は市町村にあるのが通常で、これは国有財産特別措置法5条1項5号による譲与にもとづく。

法律・制度

両手仲介 りょうてちゅうかい

1つの取引で、仲介業者が売主と買主の双方から仲介手数料を受け取ること。片方だけから受け取る場合を片手仲介という。

日本では禁止されていない。ただし、売主の利益と買主の利益は本来ぶつかる(高く売りたい/安く買いたい)ため、双方の代理人を1社が務める構造には利益相反の性質があるという指摘は古くからある。

買主として気にすべきは、その業者が売主側の業者でもあるかどうかである。登記簿の所有者と、媒介の形態を確かめれば分かる。

売買・契約

礼金 れいきん

賃貸借契約の際に、借主が貸主へ支払う一時金。敷金と違い、退去時に返らない。

法律上の位置づけがはっきりしない慣習的な費用で、地域によって有無も相場も違う。関西では礼金の代わりに「敷引き」の慣行がある地域もある。

貸主から見れば実質的な賃料の前払いにあたるため、礼金の有無だけで比べるのではなく、契約期間全体で払う総額に直して比較したほうが正確である。

賃貸

連帯保証人 れんたいほしょうにん

借主と同じ責任を負う保証人。「まず借主に請求してくれ」と言えず、請求されれば自分が払う。

★2020年4月施行の改正民法により、個人が根保証をするときは極度額を定めなければ効力を生じない(465条の2第2項)。賃貸の連帯保証人はこの個人根保証にあたる。

つまり契約書に「極度額 ◯◯円」の記載がない個人の連帯保証は、無効である。 改正前は上限のないまま保証人になる契約が可能だった。

近年は連帯保証人の代わりに家賃債務保証会社を使う形が一般的になっている。保証会社が代わりに払っても、借主の債務は消えず、求償される。

賃貸

レントロール れんとろーる

賃貸物件の部屋ごとに、入居者の有無・賃料・契約日・敷金などをまとめた一覧表のこと。収益物件の売買では、販売資料に必ず添えられる。

見るべきは合計額ではなく、部屋ごとのばらつきである。同じ間取りなのに賃料が大きく違う部屋があれば、古い契約が残っているか、募集のために下げたかのどちらかが多い。契約日が集中していれば、同じ時期にまとめて退去する可能性がある。

満室のレントロールでも、契約日が全部同じ月なら注意がいる。売却の直前に埋めた可能性を考える必要がある。

不動産投資

路線価 ろせんか

道路に面する宅地1㎡あたりの評価額。相続税と贈与税で土地を評価するときに使う。毎年7月に国税庁が公表する。

★固定資産税評価額とは別のものである。 名前も用途も違う。相続税は路線価、固定資産税は固定資産税評価額を使う。

路線価が定められていない地域では、固定資産税評価額に一定の倍率を掛けて評価する(倍率方式)。

土地の形は一律ではないので、実際の評価では補正がかかる。奥行きが長い、間口が狭い、不整形、崖地。評価は「路線価 × 面積」で終わらない。 そこが相続税でいちばん難しい部分である。

税金

ローン特約 ろーんとくやく

住宅ローンの審査が通らなかったときに、売買契約を白紙で解除できるとする特約。融資特約ともいう。

★法律上の制度ではない。契約書に書いて初めて生まれる。 書いていなければ、審査に落ちても契約は残る。手付を放棄するか、違約金を払って抜けることになる。

確かめる点は3つある。期限(いつまでに解除できるか)、対象(どの金融機関のどの商品か)、金額(いくらの融資が通らなかったときか)。

期限を過ぎれば使えない。申込みが遅れて審査結果が期限に間に合わない、ということが実際に起きる。

売買・契約

わ

ワンルーム投資 わんるーむとうし

マンションの一室を購入して賃貸に出し、家賃収入を得る投資。少額から始められ、融資も付きやすい。

一室ごとに見るため、空室になれば収入はゼロになる。 一棟のように、他の部屋で埋め合わせることができない。

販売の場面では毎月の手出しが月額で示される。月1万円は35年で420万円になる。どちらも同じ金額だが、受ける印象は違う。判断するときは、月額と総額の両方に直して見たほうが確かである。

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