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法律・制度 7分で読めます 2,736字 (2026年8月19日公開)

再建築不可物件 さいけんちくふかぶっけん

再建築不可物件とは、いまの建物を取り壊すと新しい建物を建てられない土地のこと。建築基準法の接道義務を満たしていないことが原因で、価格は安いが融資が付きにくい。

この記事の要点

  1. 原因は接道義務。幅員4m以上の道路に2m以上接していないと建てられない
  2. 建てられないのは新築だけで、リフォームや大規模修繕はできる場合がある
  3. 融資が付きにくい。自分が現金で買えても、次の買主が同じ壁に当たる
  4. 利回りが高いのは、この売りにくさの裏返しでもある
  5. 隣地の買い増しやセットバックで解消できることがあるが、相手のある話になる
目次(5項目)

再建築不可物件とは、いまある建物を取り壊すと、新しい建物を建てられない土地のことです。

不動産の広告では「再建築不可」「建築不可」と明記されます。価格は相場より大きく下がり、利回りは高く出ます。その高さが何の裏返しなのかを見ていきます。

なぜ建てられないのか

原因のほとんどは接道義務です。

接道義務を満たさない土地の例
  1. 道路に接していない

    周りを他人の土地に囲まれている(いわゆる袋地)。通行のための権利はあっても、接道義務は満たさない

  2. 接している幅が2m未満

    通路のような細い部分でしか道路に接していない。旗竿地でよくある形

  3. 接している道が「道路」ではない

    私道や通路であっても、建築基準法上の道路として扱われないものがある

  4. 前面道路の幅が4m未満

    セットバックにより解消できる場合もあるが、両側の状況による

4つとも、建物が建った当時は適法だったことが多い。その後の法改正で基準を満たさなくなった。

何ができて、何ができないのか

できることと、できないこと

できること

  • いまの建物に住み続ける、貸す
  • 内装のリフォーム
  • 建物を売る(買主は限られる)
  • 修繕(規模と内容による)

使い続けることは、妨げられていない。

できないこと

  • 取り壊しての新築
  • 建築確認を要する規模の増築
  • 建て替えを前提とした資金計画

建物の寿命が、そのまま土地の使い道の期限になる。

大規模な修繕・模様替えにあたる工事には確認申請が必要になることがあり、その場合は同じ壁に当たります。どこまでが確認申請の要る工事かは規模と構造で変わるため、着手前に建築士や自治体の建築指導課へ確認するのが確実です。

安い理由は、出口にある

なぜ買い手が限られるのか
  1. 買主が融資を申し込む

    金融機関が担保として評価する

    建て替えができない土地は、担保としての評価が大きく下がる

  2. 融資が付かない

    現金で買える人だけが買主になる

    住宅ローンを前提にした買主は、そもそも検討から外れる

  3. 売り出す

    買主の母数が小さいため、売却に時間がかかる

    急いで売ろうとすれば、価格を下げるしかない

  4. 建物の寿命が来る

    建て替えられないため、土地としての使い道が限られる

    隣地の所有者にとっては価値があることもある

利回りの高さは、この流動性の低さと引き換えになっています。実質利回りの記事にも書きましたが、高い利回りには理由があります。 理由が分かっていて、それを引き受けるなら選択になります。分からずに利回りだけで選ぶと、出口で困ります。

解消できる場合

方法はあります。ただし、いずれも相手のある話です。

再建築不可を解消する道

4つ目について。43条2項には、道路に接していない敷地でも、一定の基準に適合し特定行政庁が認めた場合や、建築審査会の同意を得て許可した場合に建築を認める規定があります。ただし認められるかどうかは事前に確定できません。 買う前に自治体へ相談することはできます。

買う前に確かめること

契約の前に、自分で確かめられること

よくある質問

なぜ建て替えられないのですか?
建築基準法43条により、建物の敷地は原則として幅員4m以上の道路に2m以上接している必要があるためです。この条件を満たさない敷地には建築の確認が下りません。既存の建物は、建てられた当時の基準では適法だったものが多く、その後の法改正で基準を満たさなくなった(既存不適格)という経緯をたどっています。
リフォームもできないのですか?
建て替えができないだけで、修繕や模様替えはできる場合があります。ただし大規模な修繕・模様替えにあたる工事には確認申請が必要になることがあり、その場合は同じ壁に当たります。工事の規模と内容によって扱いが変わるため、着手前に建築士や自治体の建築指導課へ確認してください。
利回りが高いなら買ってもよいのでは?
利回りが高いのは、価格が安いからです。そして価格が安い理由は、買える人が限られていることにあります。自分が現金で買えても、売るときの買主は同じ制約を受けます。融資が使えない買主だけが相手になるため、売却には時間がかかり、価格も抑えられます。保有し続ける前提なら成り立ちますが、出口を計算に入れるなら別の見方が要ります。
再建築不可を解消できますか?
方法はあります。隣地を買い足して接道を確保する、隣地の一部を購入または借りる、43条2項の認定・許可を受ける、といった道です。ただしいずれも相手のある話であり、確実ではありません。解消を前提に買うのは、その交渉が成立しなかった場合を引き受けるということでもあります。

出典 番号は本文中の [n] に対応します

  1. 建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)

    e-Gov 法令検索(デジタル庁) 昭和25年

    確認日 2026-09-02

  2. 宅地建物取引業法(昭和二十七年法律第百七十六号)

    e-Gov 法令検索(デジタル庁) 昭和27年

    確認日 2026-09-02

  3. 宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方(令和8年4月1日施行版)

    国土交通省 令和8年4月1日施行版

    確認日 2026-09-02

この分野の全体像

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