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区分所有 くぶんしょゆう

区分所有とは、1棟の建物のうち独立した部分を単独で所有すること。所有者は全員で自動的に管理組合を構成し、建物の使い方は多数決で決まる。

この記事の要点

  1. 区分所有者は全員で管理組合を構成する。入るかどうかを選べない
  2. 2026年4月施行の改正で、決議は「出席した」区分所有者と議決権で数えるようになった
  3. 前の所有者が滞納した管理費は、買主に請求できる(特定承継人の責任)
  4. 建替え決議は5分の4以上。耐震性不足などに当たれば4分の3に緩和される
  5. 反対しても、決議が成立すれば時価での売渡しを請求されうる
目次(5項目)

区分所有とは、1棟の建物のうち構造上独立した部分を、単独で所有することです。分譲マンションの1室を持つ形がこれにあたります。

戸建てとの違いは所有の形だけではありません。自分の物件の使い方を、自分だけでは決められないという点が本質です。

何を単独で持ち、何を共有するのか

3つに分かれる
  1. 専有部分自分のもの

    構造上独立し、独立して使える部分。住戸の内側。単独で所有する

  2. 共用部分

    廊下、階段、エントランス、エレベーター、外壁、屋上、給排水の本管

  3. 敷地利用権

    建物が建っている土地を使う権利。持分で共有する

共用部分は区分所有者全員の共有。専有部分と分けて処分することはできない。

2026年4月から、決議の数え方が変わった

ここが現在いちばん誤解されやすい部分です。

主な決議の要件(2026年4月1日施行の条文)

普通決議(39条1項)

  • 出席した区分所有者および議決権の各過半数
  • 修繕、管理会社の変更、予算の承認など
  • 保存行為は各共有者が単独でできる

日常の運営はここ。

特別決議(17条1項・31条1項)

  • 定足数は区分所有者の過半数かつ議決権の過半数の出席
  • 出席した区分所有者および議決権の各4分の3以上
  • 規約の設定・変更・廃止、共用部分の著しい変更
  • 規約で2分の1超まで引き下げられる場合がある

大規模修繕の内容によってはここに来る。

建替え決議(62条1項)

  • 区分所有者および議決権の各5分の4以上
  • ★ここだけ出席者ベースではない
  • 耐震性不足などに当たれば4分の3に緩和(62条2項)

最も重い要件。

建替えは、反対しても止まらないことがある

なお共用部分の変更についても、瑕疵の除去に必要な変更バリアフリー化のための変更は、要件が4分の3から3分の2へ引き下げられています(17条)。

買うときに、いちばん確かめるべきこと

前の所有者の滞納は、買主が引き継ぎます。 ここが金額に直結します。

滞納がある物件を買うと、どうなるか
  1. 前の所有者が管理費・修繕積立金を滞納したまま売る

    滞納の事実は、登記簿には出てこない

  2. 買主が取得する

    この時点で買主が「特定承継人」になる

  3. 管理組合が買主へ請求するここが8条

    管理組合との関係では、買主が支払う立場になる

  4. 買主は売主へ求償する

    ただし売主に資力がなければ回収できない

管理組合に対して「自分の滞納ではない」という主張は通らない。

滞納は登記簿に出てきません。自分で聞かなければ分かりません。 重要事項説明でも説明の対象ですが、それは契約の直前です。

収支に、どう入れるか

区分所有の物件を検討するとき

2つ目について、国土交通省のガイドライン[3]が専有面積あたりの目安を示しています。現在の額が目安を下回るなら、値上げを見込む必要があります。

5つ目は用途地域にまとめた既存不適格の話です。戸数を減らさなければ建て替えられない建物では、5分の4を集めること自体が難しくなります。

管理費・修繕積立金を利回りの計算に入れる方法は実質利回りにあります。

よくある質問

管理組合に入らないという選択はできますか?
できません。区分所有法3条は「区分所有者は、全員で、建物並びにその敷地及び附属施設の管理を行うための団体を構成し」と定めています。加入の手続きも脱退の手続きもありません。所有した時点で構成員になります。管理費や修繕積立金の支払義務も、この団体の構成員であることから生じます。町内会のような任意の団体とは性質が違います。
決議の要件は何割ですか?
2026年4月1日施行の改正法では、普通決議は定足数を満たしたうえで「出席した」区分所有者およびその議決権の各過半数です(39条1項)。規約の設定・変更・廃止と、共用部分の著しい変更は、同じく出席した者の各4分の3以上です(31条1項・17条1項)。建替え決議だけは出席者ベースではなく、区分所有者および議決権の各5分の4以上です(62条1項)。改正前は「全区分所有者の◯分の◯」で数えていたため、古い解説とは数字の意味が違います。
前の所有者が管理費を滞納していたら、どうなりますか?
買主が請求されます。区分所有法8条は、管理費等の債権を「債務者たる区分所有者の特定承継人に対しても行うことができる」と定めています。売買で取得した買主が、この特定承継人にあたります。売主に請求できるかは売主との間の問題であり、管理組合との関係では買主が支払う立場になります。契約の前に管理組合または管理会社から滞納の有無を書面で確認してください。重要事項説明でも説明の対象です。
建替えに反対したらどうなりますか?
決議が成立すれば、参加しない区分所有者は区分所有権と敷地利用権を時価で売り渡すよう請求されうると定められています(63条)。住み続けるという選択は、原則として残りません。建物の明渡しによって生活上著しい困難を生ずるおそれがあり、かつ建替えの遂行に甚だしい影響を及ぼさないと認めるべき顕著な事由があるときは、裁判所が明渡しについて1年を超えない範囲で期限を許与できるとされています。
議決権はどう決まりますか?
規約に別段の定めがない限り、共用部分の持分の割合、すなわち専有部分の床面積の割合によります(38条・14条)。広い住戸を持つ人ほど議決権が大きくなります。一方、普通決議では「区分所有者の頭数」と「議決権」の両方で過半数が必要になるため、投資家が多数の小さい住戸を持っていても、頭数の要件で止まることがあります。数え方が2つあることが、この制度の特徴です。

出典 番号は本文中の [n] に対応します

  1. 建物の区分所有等に関する法律(昭和三十七年法律第六十九号)

    e-Gov 法令検索(デジタル庁) 昭和37年

    確認日 2026-08-19

  2. 住宅:マンションに関する統計・データ等

    国土交通省

    確認日 2026-08-19

  3. マンションの修繕積立金に関するガイドライン

    国土交通省 平成23年4月策定・令和6年6月7日改訂

    確認日 2026-08-18

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