元利均等返済 がんりきんとうへんさい
元利均等返済とは、毎月の返済額を一定にする返済方法。返済の初期ほど利息の割合が大きく、元金がなかなか減らない。売却時の残債に直接効いてくる。
この記事の要点
- 毎月の返済額は一定だが、その中身は毎月入れ替わっている
- 3,000万円35年2.0%なら、初回の返済のうち元金に回るのは49.7%だけ
- 10年払っても元金は21.8%しか減らない。元金が半分になるのは20年6か月目
- 元金均等返済と比べると、総額で約121万円多く払う
- 出口の計算に直接効く。数年後の売却を考えるなら残高表を先に見る
元利均等返済とは、毎月の返済額(元金+利息)を一定にする返済方法です。日本の住宅ローンでは、こちらが一般的です。
毎月の額が変わらないので、家計の見通しは立てやすくなります。ただしその中身は毎月入れ替わっています。
中身がどうなっているか
毎月の返済額 = その月の利息 + 元金に充てる分
- その月の利息
- 残高 × 金利 ÷ 12
- 元金に充てる分
- 返済額から利息を引いた残り
利息は残高にかかる。残高が大きい初期ほど、利息の額が大きい。
3,000万円を35年、金利2.0%で借りた場合で計算します。
利息に消える
50,000円
元金が減る
49,379円
元金の割合
49.7%
- 利息50,000円50.3%
- 元金49,379円49.7%
10年払うと、どれだけ減るのか
5年後
残高 26,886,795円
減ったのは10.4%
10年後
残高 23,446,458円
減ったのは21.8%
15年後
残高 19,644,614円
減ったのは34.5%
20年6か月目
ここでようやく元金が半分になる
返済期間の約6割を過ぎたところ
25年後
残高 10,800,467円
減ったのは64.0%
30年後
残高 5,669,796円
最後の5年で残りを一気に返す形になる
半分の期間で半分が減るわけではない、というのがこの返済方法の性質です。「もう10年も払ったのだから、だいぶ減っただろう」という感覚とは合いません。
元金均等返済と比べる
もう1つの返済方法が元金均等返済です。元金を期間で割った額を毎月一定に返し、それに利息を足します。
元利均等返済
- 毎月ずっと 99,379円
- 総額 41,739,109円
- 総利息 11,739,109円
- 10年後の残高 23,446,458円
毎月の額が動かない。家計の見通しは立てやすい。
元金均等返済
- 初回 121,429円 → 最終 71,548円
- 総額 40,525,000円
- 総利息 10,525,000円
- 10年後の残高 21,428,571円
初めが重いが、元金の減りが速い。
- 元金均等の総額40,525,000円97.1%
- 元利均等で余分に払う分1,214,109円2.9%
それでも元利均等が選ばれる理由
金利と期間で、減り方がどう変わるか
同じ3,000万円でも、条件によって10年後の姿が変わります。
金利 1.0%
- 毎月 84,686円
- 10年後の残高 22,470,655円
- 減ったのは25.1%
- 元金が半分になるのは19年1か月目
低いほど、元金の減りは速い。
金利 3.0%
- 毎月 115,455円
- 10年後の残高 24,346,753円
- 減ったのは18.8%
- 元金が半分になるのは21年11か月目
高いほど、返済額の中で利息が占める割合が増える。
金利が2ポイント違うと、10年後の残高が1,900,295円も違います。 毎月の返済額の差だけでなく、元金の減る速さも変わっています。
期間の違いも見ておきます。
25年で借りる
19,759,842円
毎月127,156円/減ったのは34.1%
30年で借りる
21,919,252円
毎月110,886円/減ったのは26.9%
35年で借りる
23,446,458円
毎月99,379円/減ったのは21.8%
出口の計算に、どう効くか
ここが最も金額に表れる部分です。
5つ目は変動金利と組み合わさったときの話です。5年ルールで返済額が据え置かれると、増えた利息のぶんだけ元金の減りが止まります。 この記事の残高表より、さらに遅くなります。
比率での見方は返済比率にまとめました。住宅ローン利用者の実態調査[2]には、金利タイプの選択と、上昇時の対応についての意識も調べられています。