不動産知識大全 業者が言わない数字まで、検算して解説する。
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不動産取得税 ふどうさんしゅとくぜい

不動産取得税とは、不動産を取得したときに一度だけ課される都道府県税。引渡しの数か月後に納税通知書が届くため、諸費用に見込んでいないと不意打ちになる。

この記事の要点

  1. 引渡しから数か月後に納税通知書が届く。決済の日には請求されない
  2. 標準税率は4%。住宅と土地は当分の間3%に下げられている
  3. 新築住宅の1,200万円控除は、床面積40㎡以上240㎡以下が条件
  4. 中古住宅の控除は「個人が自己の居住の用に供する」場合に限られる。投資用には無い
  5. 建物が控除の条件を外れると、土地の減額も連動して受けられなくなる
目次(8項目)

不動産取得税とは、土地や家屋を取得したときに一度だけ課される都道府県税です。

この税の特徴は、請求が来るのが遅いことにあります。決済の日には出てきません。引渡しから数か月後、忘れたころに納税通知書が届きます。

いつ、誰に、いくら

請求が届くまで
  1. 不動産を取得する(引渡し)

    この時点では請求されない

  2. 都道府県が取得を把握する

    登記の情報などから。ここに時間がかかる

  3. 価格(課税標準)を確定する

    売買価格ではなく、固定資産課税台帳の価格を使う

  4. 納税通知書が届く忘れたころに来る

    数か月後。半年から1年近くかかることもある

納期は都道府県の条例で定められる。普通徴収なので、通知を受けてから払う。

不動産取得税の計算

税額 = 課税標準 × 税率 − 減額される額

課税標準
固定資産課税台帳に登録された価格。宅地は当分の間その2分の1
税率
本則は4%。住宅と土地は当分の間3%
減額される額
住宅と、その敷地について定められている

売買価格は使わない。台帳の価格を使う点は固定資産税と同じ。

免税点 — この額に満たなければ課されない

課税標準となるべき額が、これに満たなければ課税されない

土地の取得

16万円

家屋(建築によるもの)

66万円

一戸につき

家屋(その他)

34万円

一戸につき

地方税法73条の15の2の定めです。

新築住宅の1,200万円控除 ― 床面積40㎡が分かれ目

問題は「政令で定めるもの」の中身です。

土地の減額は、建物に連動している

床面積が足りないと、二重に効く
  1. 床面積が40㎡に満たない

    25㎡のワンルームなど

  2. 建物の1,200万円控除が使えない1つ目

    評価額にそのまま3%がかかる

  3. その住宅は「特例適用住宅」ではない

    73条の24の条件を満たさない

  4. 土地の減額も受けられない2つ目

    建物の要件が、土地の減額の入口になっている

建物と土地の両方で軽減が消える。片方だけの話ではない。

数字にする

新築のワンルームを投資用に買う場合で計算します。

前提

専有面積

25

建物の評価額

600万円

土地(持分)の評価額

200万円

土地の持分面積

20

専有25㎡と45㎡で、同じ評価額でも税額が違う

専有25㎡(軽減なし)

  • 建物 600万円 × 3% = 180,000円
  • 土地 200万円 × 1/2 = 100万円
  • 土地 100万円 × 3% = 30,000円
  • 特例適用住宅ではないので土地の減額なし

合計 210,000円。

専有45㎡(軽減あり)

  • 建物 600万円 − 1,200万円 → 課税標準0円
  • 土地 100万円 × 3% = 30,000円
  • 1㎡単価 5万円 × 床面積の2倍90㎡ = 450万円
  • 減額 450万円 × 3% = 135,000円 > 税額

合計 0円。

床面積の差だけで生じる税額の差(円)
  • 専有25㎡で課される額210,000円
  • 専有45㎡で課される額0円

中古は、さらに条件が付く

新築と中古で、条文の作りが違います。

新築と中古の、決定的な違い

新築住宅(73条の14第1項)

  • 控除額は1,200万円
  • 床面積40〜240㎡
  • ★自己居住の要件が無い
  • 賃貸用でも受けられる

条文に「自己の居住の用に供する」が書かれていない。

中古住宅(73条の14第3項)

  • 控除額は新築された時点の控除額
  • 床面積40〜240㎡
  • ★個人が自己の居住の用に供すること
  • 耐震基準に適合すること

賃貸用は対象外。条文に明記されている。

相続なら課されない

収支に、どう入れるか

買う前に出しておく

5つ目を軽く見ないでください。登記費用や仲介手数料と違い、決済の場で払わないので、諸費用の一覧から落ちやすい費目です。

実質利回りの計算に諸費用を入れる方法は実質利回りに、毎年かかる税との違いは固定資産税にまとめました。

よくある質問

不動産取得税はいつ来ますか?
引渡しから数か月後です。決済の日には請求されません。都道府県が不動産の取得を把握し、価格を確定してから納税通知書を送るため、時間差が生じます。半年から1年近くかかることもあります。購入時の諸費用として見込んでいないと、忘れたころに数十万円の請求が届くことになります。納期は都道府県の条例で定められます。
25㎡のワンルームでも軽減は受けられますか?
受けられません。新築住宅の1,200万円控除は、地方税法施行令37条の16により床面積40㎡以上240㎡以下であることが条件です。25㎡はこの範囲に入りません。さらに、この控除を受けられる住宅(特例適用住宅)でないと、土地の税額の減額も受けられません。建物と土地の両方で軽減が消えるため、影響は小さくありません。
投資用の中古物件に軽減はありますか?
建物についてはありません。中古住宅の控除は地方税法73条の14第3項に定めがあり、「個人が自己の居住の用に供する耐震基準適合既存住宅を取得した場合」に限られています。賃貸に出す物件は対象外です。新築の場合は自己居住の要件が無いため、床面積の条件さえ満たせば賃貸用でも控除を受けられます。新築と中古で扱いが違う点に注意してください。
相続で取得した場合はどうなりますか?
課税されません。地方税法73条の7第1号により、相続(包括遺贈および被相続人から相続人に対してなされた遺贈を含む)による不動産の取得は非課税とされています。一方、生前贈与による取得は課税対象です。相続と贈与で扱いが分かれるため、渡し方を検討する場面ではここが判断材料の一つになります。
軽減を受けるのに手続きは要りますか?
原則として申告が必要です。地方税法73条の14第4項は、住宅の取得者から条例で定めるところにより申告がなされた場合に限り控除を適用する、としています。ただし同条5項により、申告が無くても要件に該当すると認められるときは適用できるとされており、実務上は都道府県が把握して自動的に適用することもあります。確実にするには、取得後に都道府県税事務所へ確認してください。

出典 番号は本文中の [n] に対応します

  1. 地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)

    e-Gov 法令検索(デジタル庁) 昭和25年

    確認日 2026-08-19

  2. 地方税法施行令(昭和二十五年政令第二百四十五号)

    e-Gov 法令検索(デジタル庁) 昭和25年

    確認日 2026-08-19

  3. 地方税制度|不動産取得税

    総務省

    確認日 2026-08-19

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