相続した不動産を売るときの税の計算機
相続した不動産を売ると、税額を決めるのは売値ではなく取得費です。被相続人の売買契約書が残っているかどうかで数百万円変わります。空き家特例と取得費加算は同時に使えないため、どちらが有利かも並べて出します。
条件を入れる
税額
-円
譲渡所得(特例を当てる前)
-円
譲渡価額 −(取得費 + 譲渡費用)
区分
-
使った取得費
-円
特例ごとの税額
★売買契約書を見つけたことで軽くなった額
-円
税の内訳
入力した数字は送信されません。すべてこの画面の中だけで計算しています。
この計算機が出している数字
譲渡所得 = 譲渡価額 −(取得費 + 譲渡費用)− 特別控除
税率は所有期間で2つに分かれます。判定するのは売った日ではなく、売った年の1月1日です。
長期譲渡所得(5年超)
- 所得税 15%
- 復興特別所得税 所得税額の2.1%
- 住民税 5%
合計 20.315%。
短期譲渡所得(5年以下)
- 所得税 30%
- 復興特別所得税 所得税額の2.1%
- 住民税 9%
合計 39.63%。ほぼ2倍になる。
復興特別所得税は令和19年分まで、基準所得税額の2.1%が課されます。
計算例は国税庁のタックスアンサーにあります。長期はNo.3208[4]、短期はNo.3211[5]です。
相続では、所有期間を引き継ぐ
ここを取り違えると、税額が2倍近く変わります。
同じ条文が、取得費も引き継がせます。被相続人が買った金額が、そのまま自分の取得費になります。だから古い売買契約書を探す意味があります。
★税額を決めているのは、売値ではなく取得費
この計算機の主役はここです。
取得費が分かる(土地800万・建物1,200万/木造35年)
412万円
減価償却で建物の取得費は60万円まで下がる。取得費は合計860万円
取得費が分からない(概算5%=150万円)
557万円
売値のほとんどが課税の対象になる
差
144万円
★売買契約書を1枚見つけたことの値段
同じ物件を同じ値段で売っています。違うのは、買ったときの金額を証明できるかどうかだけです。
概算取得費が使えることは、実は条文にそう書いてあるわけではありません。
建物は、買ったときの金額をそのまま使えない
減価の額 = 取得価額 × 0.9 × 償却率 × 経過年数
- 償却率
- 耐用年数を1.5倍した年数に対応する旧定額法の償却率
- 経過年数
- 6か月以上の端数は1年、6か月未満は切り捨て
差し引ける上限は取得価額の95%です。木造(償却率0.031)なら、35年でこの上限に達します。
償却率は国税庁 No.3261[7] が表で示しています。この式の根拠は所得税法施行令[2]85条です。
- 木造0円22.0%
- 木骨モルタル0円24.1%
- 鉄筋・鉄骨鉄筋コンクリート0円10.6%
- 金属造①(骨格材3mm以下)0円25.5%
- 金属造②(3mm超4mm以下)0円17.7%
事業に使っていた建物は、実際に計上した減価償却費の合計を使います。この計算機は非業務用の式で計算しています。
空き家特例と取得費加算は、同時に使えない
相続した不動産を売るときに使える特例は、主に2つあります。そして併用できません。
空き家特例(措置法35条3項)
- 譲渡所得から最大3,000万円を控除
- 相続人が3人以上なら2,000万円(35条4項)
- 相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日まで
- 譲渡の対価が1億円を超えると使えない
- 昭和56年5月31日以前の建築、相続後は空き家のまま、など要件が多い
相続税を納めていなくても使える。
取得費加算(措置法39条)
- 納めた相続税のうち対応する額を取得費に加算
- 相続税を納めていることが前提
- 相続税の申告期限(10か月)の翌日以後3年を経過する日まで
- 加算できるのは譲渡益が上限
相続税が0なら効果も0。
★要件が重ならないので、両方の候補に上がる場面はそれほど多くありません。両方に当たるときだけ、金額で比べます。
取得費に加算できる額は、この特例を使わずに計算した譲渡益が上限です(No.3267[8])。譲渡益より多くは加算できないので、税額をマイナスにすることはできません。
入れる数字の集め方
この計算に含めていないもの
- 相続税そのもの。 ここで計算しているのは、売ったときにかかる譲渡所得への課税だけです
- 空き家特例の細かい要件。 昭和56年5月31日以前の建築であること、区分所有建物でないこと、相続の直前に被相続人が居住していたこと、相続の時から譲渡の時まで事業・貸付け・居住の用に供されていないこと、耐震基準に適合させるか取り壊すこと。要件が多いので、国税庁 No.3306[9]で自分の物件を1つずつ確かめてください
- 被相続人が要介護認定を受けて老人ホーム等に入居していた場合の扱い。 一定の要件のもとで空き家特例の対象になりますが、この計算機では判定していません
- 共有で相続した場合の按分。 持分ごとに計算が要ります
- 3,000万円特別控除(自分が住んでいた家を売る場合)との関係。 相続した家に自分が住んでいた場合は、そちらの適用も検討の対象になります
- 譲渡損失が出た場合の他の所得との通算。 土地建物の譲渡損失は、原則として他の所得と損益通算できません
★売る前に、名義を自分に移しておく必要があります。 相続登記は2024年4月1日から義務になり、起算点から3年という期限もあります。→ 相続登記の義務化
譲渡所得そのものの仕組みは譲渡所得、建物の減価償却は減価償却、相続した空き家を持ち続けた場合の負担は0円住宅にまとめています。
出典 番号は本文中の [n] に対応します
よくある質問
相続した不動産を売ると、必ず税がかかりますか?
所有期間は、相続した日から数えるのですか?
売買契約書が見つかりません。どうなりますか?
空き家特例と取得費加算は、両方使えますか?
空き家特例の控除額は、いつでも3,000万円ですか?
建物の取得費は、買ったときの金額をそのまま使えますか?
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