不動産知識大全 業者が言わない数字まで、検算して解説する。
計算ツール

登記費用と諸費用の内訳の計算機

「諸費用は物件価格の7%」という説明は、性質の違う3つを1つに丸めています。条文で1円まで出せるもの、上限だけが決まっているもの、相場でしかないもの。分けて出すと、どこが動かせてどこが動かせないかが見えます。

条件を入れる

買うもの
万円
固定資産税評価額
万円
万円
借入
万円
万円
相場でしかないもの
万円
万円

諸費用の合計

-

① 条文で決まるもの(1円まで出せる)

② 上限だけが決まっているもの

仲介手数料は国土交通省の告示で上限が決まっています。★これは上限であって、定価ではありません。

③ 相場でしかないもの(入力した額)

ここはこちらでは出せません。★見積りを取れば実額が分かります。取らないと、最後まで分かりません。

物件価格に対する割合

-%

★不動産取得税は含めていません。数か月後に別に届きます。

入力した数字は送信されません。すべてこの画面の中だけで計算しています。

3つに分けて出す

「諸費用は物件価格の7%」という説明をよく見ます。その7%の中には、性質の違う3つが混ざっています。

諸費用は、動かせるものと動かせないものに分かれる

その費目は、こちらで額を出せるか

  • 出せる

    条文で1円まで決まっている

    • 登録免許税(登録免許税法・租税特別措置法)
    • 印紙税(印紙税法・租税特別措置法)
    • 評価額と借入額が分かれば、正確に出る

    交渉の余地は無いが、先に正確に知っておける。

  • 出せない

    上限か、相場でしかない

    • 仲介手数料は上限だけが告示で決まっている
    • 司法書士報酬・事務手数料・火災保険料は相場
    • 見積りを取るまで、実額は分からない

    ★分からないのではなく、聞けば分かる。

この計算機は、①条文で決まるもの ②上限が決まっているもの ③相場でしかないもの、の3つに分けて出します。

丸めると、どこが動かせてどこが動かせないかが分からなくなります。

4,000万円の中古住宅(土地評価1,200万円・建物評価800万円・借入3,500万円・自分が住む)を上の計算機に入れると、諸費用の合計は 2,725,000円(物件価格の6.8%)でした。その内訳はこうなります。

同じ「6.8%」の中身
  • ① 条文で決まるもの(登録免許税・印紙税)269,000円
  • ② 上限だけが決まっているもの(仲介手数料)1,386,000円
  • ③ 相場でしかないもの(司法書士報酬・事務手数料・保険料)1,070,000円

★条文で1円まで出せるのは全体の10%です。残りの90%は、上限を知っておくか、見積りを取るかしないと分かりません。「7%」という数字だけでは、そのどちらもできません。

① 条文で決まるもの

登録免許税

課税標準は固定資産税評価額です。物件価格ではありません。抵当権の設定だけは、債権金額(借入額)が課税標準になります。

本則の税率(登録免許税法 別表第一の一)
  • 所有権の保存の登記4/1000
  • 所有権の移転(相続・法人の合併)4/1000
  • 所有権の移転(売買・贈与など)20/1000
  • 抵当権の設定4/1000

抵当権の設定は債権金額、それ以外は不動産の価額が課税標準です。登記の抹消は不動産1個につき1,000円です。

条文は登録免許税法[1]の別表第一にあります。そのうえに、期限つきの軽減があります(租税特別措置法[2])。

軽減の特例(租税特別措置法)

誰でも使えるもの

  • 土地の売買による所有権移転 20/1000 → 15/1000
  • 72条1号。令和11年3月31日まで

用途を問わない。

自分が住む住宅だけ

  • 建物の保存 4/1000 → 1.5/1000(72条の2)
  • 建物の移転 20/1000 → 3/1000(73条)
  • 抵当権の設定 4/1000 → 1/1000(75条)
  • いずれも令和9年3月31日まで

★取得後1年以内に登記を受けることが要件。

投資用や別荘は、右の軽減を使えません。同じ物件でも、住むかどうかで税額が変わります。

4,000万円の中古住宅(土地評価1,200万・建物評価800万・借入3,500万)

自分が住む

239000

土地18万 + 建物2.4万 + 抵当権3.5万

住まない(投資用)

480000

土地18万 + 建物16万 + 抵当権14万

241000

★同じ物件・同じ借入で、2倍を超える

登録免許税だけの比較です。建物の税率が3/1000と20/1000で、抵当権が1/1000と4/1000で違います。

印紙税

税額の区分は印紙税法[3]の別表第一にあります。売買契約書には軽減があり、金銭消費貸借契約書にはありません。同じ金額帯でも税額が違います。

契約金額1,000万円超5,000万円以下の場合

売買契約書

  • 1万円
  • 租税特別措置法91条の軽減
  • 令和9年3月31日まで

本則は2万円。

金銭消費貸借契約書

  • 2万円
  • 印紙税法別表第一 第1号の本則
  • 軽減の対象外

★91条は「不動産の譲渡に関する契約書」だけを対象にしている。

売買契約書は売主と買主が1通ずつ持つのが通常で、その場合は2通分かかります。

② 上限だけが決まっているもの

仲介手数料の上限は国土交通省の告示[4]で決まっています。

媒介の報酬の上限(売買の場合)

200万円以下の部分 × 5% + 200万円超400万円以下の部分 × 4% + 400万円超の部分 × 3%

400万円超の物件
この区分計算をまとめると「代金 × 3% + 6万円」になる
消費税
上の額に別途かかる

★これは上限です。定価ではありません。これより低い額で合意することは妨げられていません。

③ 相場でしかないもの

司法書士報酬、ローンの事務手数料、火災保険料。この3つは、こちらでは出せません。

見積りを取るときに、分けて聞く

この計算に含めていないもの

  • 不動産取得税 登記の情報が都道府県へ回ってから課税されるため、取得から数か月後に納税通知書が届きます。 忘れたころに来るので、別に見積もっておいてください(総務省の案内[5]
  • 固定資産税・都市計画税の日割り精算。 引渡し日で按分するのが慣行ですが、法律上の義務ではありません
  • 管理費・修繕積立金の日割り精算区分所有の場合)
  • 表題登記の費用(新築の場合)。土地家屋調査士の報酬で、こちらも相場です
  • 引越し費用・家具家電・リフォーム費用
  • 住宅ローン控除。払うほうではなく戻るほうなので、ここには入れていません

毎月の返済額は手出しシミュレータ、買うか借りるかの比較は賃貸と購入の比較シミュレータ、取得後に来る税は不動産取得税にまとめています。

出典 番号は本文中の [n] に対応します

  1. 登録免許税法(昭和四十二年法律第三十五号)

    e-Gov 法令検索(デジタル庁) 昭和42年

    確認日 2026-08-19

  2. 租税特別措置法(昭和三十二年法律第二十六号)

    e-Gov 法令検索(デジタル庁) 昭和32年

    確認日 2026-09-02

  3. 印紙税法(昭和四十二年法律第二十三号)

    e-Gov 法令検索(デジタル庁) 昭和42年

    確認日 2026-09-02

  4. 地方税制度|不動産取得税

    総務省

    確認日 2026-08-19

よくある質問

諸費用は物件価格の何%くらいですか?
中古で6〜9%程度が目安とされますが、★この幅の理由は「性質の違うものを1つに丸めているから」です。登録免許税と印紙税は条文で1円まで決まっていて、評価額と借入額が分かれば正確に出ます。仲介手数料は告示で上限が決まっています。残りの司法書士報酬・ローンの事務手数料・火災保険料は相場でしかなく、見積りを取るまで分かりません。分けて計算すれば、幅があるのは3つ目だけだと分かります。
登録免許税は、物件価格に掛けるのですか?
いいえ。課税標準は固定資産税評価額です(登録免許税法附則7条)。物件価格ではなく、売主の課税明細書に載っている額のほうです。評価額は通常、取引価格より低くなります。抵当権の設定登記だけは債権金額(借入額)が課税標準です。
自分が住むかどうかで、登録免許税は変わりますか?
変わります。建物の所有権移転登記は本則が20/1000ですが、自分が住む住宅用家屋なら3/1000になります(租税特別措置法73条)。新築の保存登記は4/1000が1.5/1000に(72条の2)、抵当権の設定は4/1000が1/1000になります(75条)。★いずれも取得後1年以内に登記を受けることが要件です。投資用や別荘には使えません。
仲介手数料の「3%+6万円」は決まった額ですか?
上限であって、定価ではありません。国土交通省の告示は代金の額を区分して、200万円以下の部分は5%、200万円を超え400万円以下の部分は4%、400万円を超える部分は3%を合計した額を上限としています。400万円を超える物件でよく使われる「3%+6万円」は、この区分計算をまとめた式です。これに消費税がかかります。★上限なので、これより低い額で合意することは妨げられていません。
不動産取得税は含まれていますか?
含めていません。この計算機が出すのは、契約から決済までに払うものです。不動産取得税は登記の情報が都道府県へ回ってから課税されるため、取得から数か月後に納税通知書が届きます。忘れたころに来るので、別に見積もっておく必要があります。仕組みは不動産取得税の記事にまとめています。
司法書士報酬は、なぜ計算できないのですか?
報酬額の基準が法令で定められていないためです。かつては報酬規程がありましたが廃止されており、いまは各事務所が自由に定めています。★だからこそ、見積りを取れば実額が分かります。取らないと最後まで分かりません。この計算機では入力欄にしてあります。

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