重要事項説明 じゅうようじこうせつめい
重要事項説明とは、宅地建物取引業者が契約の前に、宅地建物取引士をして買主・借主へ行わせる説明のこと。宅建業法35条により、説明すべき事項と書面の交付が義務づけられている。
この記事の要点
- 契約を結ぶ前に行うものであり、契約と同時や後に行うことは認められていない
- 説明するのは宅地建物取引士であり、宅地建物取引士証を提示する義務がある
- 説明すべき事項は宅建業法35条に列挙されており、業者が取捨選択できるものではない
- 買主が「聞かなくてよい」と言っても省略できない。買主のための説明だから
- 事前に書面を受け取って読んでおけば、当日は確認と質問の時間として使える
目次(10項目)
物件の契約を前にして、宅地建物取引士から受ける説明が重要事項説明です。実務では「重説(じゅうせつ)」と略されます。
分厚い書面を前に、専門用語の混じった説明を1時間ほど聞くことになります。眠くなる時間ですが、契約前に業者へ質問できる、制度として保証された唯一の場でもあります。
誰が、いつ、何のために行うのか
買う意思を伝え、条件がまとまる
買付証明を出したり、価格や引渡し時期の交渉が終わった段階
重要事項説明を受ける契約の前
宅地建物取引士が、宅地建物取引士証を提示したうえで説明する
内容に納得したら、売買契約を結ぶ
ここで署名・押印し、手付金を支払う
決済・引渡し
残代金を支払い、登記が動く
2 と 3 が同じ日に続けて行われることは多いが、順序が逆になることは認められていない。
何が説明されるのか
説明すべき事項は法律に列挙されています。業者が選べるものではありません。大きく分けると次のようになります。
このほか、災害に関する事項も加わっています。造成宅地防災区域、土砂災害警戒区域、津波災害警戒区域にあたるかどうか、そして水害ハザードマップにおける物件の所在地の説明が求められます。
当日までに、やっておくと違うこと
重要事項説明の当日にできることは限られています。その日の成否は、前日までに決まります。
聞き逃しやすい4か所
1時間の説明のうち、後から効いてくるのは限られた箇所です。眠くなる時間帯に流れがちなところを挙げます。
契約の解除に関する条項
いつまでなら、いくら払えば、契約から抜けられるか。手付解除の期限がいつまでか。ここは金額に直結します。
期限を過ぎると、手付放棄では抜けられなくなり、違約金の話になります。その期限が具体的に何月何日なのかを、説明の場で確かめておく価値があります。
損害賠償額の予定・違約金
「売買代金の20%」といった形で書かれています。3,000万円の物件なら600万円です。
こちらが約束を守れなかったときに払う額であり、相手が守らなかったときに受け取る額でもあります。数字を一度、実額に直してみると印象が変わります。
ローンのあっせんと、不成立のときの措置
住宅ローンが通らなかった場合に契約を白紙に戻せるか(ローン特約)、その期限はいつか。
区分所有の場合の、管理費と修繕積立金
現在の額だけでなく、滞納があるかどうかも説明事項に含まれます。
前の所有者が滞納していた管理費は、買主が引き継ぐことになるのが通常です。金額が大きい場合、精算方法を契約前に決めておく必要があります。
賃貸を借りるときも、同じ説明がある
重要事項説明は、売買だけのものではありません。部屋を借りるときにも行われます。
賃貸では、定期借家契約かどうかがとくに重要です。定期借家は期間が来れば更新されずに終了します。同じ「2年契約」でも、更新できる普通借家とは性質がまったく違います。
買主が「省略してよい」と言っても省略できない
これは覚えておく価値のある性質です。
重要事項説明は、業者に課された義務です。買主のために置かれているので、買主が放棄することはできません。「急いでいるので省略で」と言われて省略した業者は、義務を果たしていないことになります。
つまり、業者が説明を急ごうとする場合、それは業者の側の都合です。 こちらが遠慮する筋合いはありません。
よくある質問
重要事項説明はいつ受けるものですか?
説明を省略してもらうことはできますか?
オンラインでの説明でも有効ですか?
説明されなかった事項が後から問題になったら?
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