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固定資産税の評価に不服があるとき こていしさんぜいのひょうかにふふくがあるとき

縦覧は4月1日からの期間限定で他人の物件と比べる制度、閲覧は自分の物件を通年で見る制度。審査の申出は納税通知書の交付を受けた日後3月を経過する日まで。

この記事の要点

  1. 縦覧と閲覧は別の制度。縦覧は期間限定、閲覧は期間の定めが無い
  2. 審査の申出は、納税通知書の交付を受けた日後3月を経過する日まで
  3. 据置年度は、原則として価格そのものを争えない
  4. 価格については、審査の申出でしか争えない(434条2項)
  5. 借りている人も台帳を閲覧できる。家屋の賃借人は敷地の土地まで
目次(7項目)

固定資産税は、市町村が決めた評価額をもとに計算されます。その評価額に納得できないとき、確かめたり争ったりする道が用意されています。

言葉が3つ出てきます。

  • 縦覧(じゅうらん)… 4月からの一定期間だけ、近隣の土地・家屋の評価額と自分のものを見比べられる制度
  • 閲覧(えつらん)… 自分の物件について、台帳に何が登録されているかを見る制度。期間の定めがない
  • 審査の申出 … 評価額に不服があるとき、固定資産評価審査委員会という第三者の機関へ申し立てる手続き

どれにも期限や条件があり、過ぎるとその年度については戻せません。

縦覧と閲覧は、別の制度である

同じ「見る」でも、目的も期間も対象も違います。

地方税法416条と382条の2

縦覧(416条)

  • ★毎年4月1日から、4月20日または最初の納期限の日のいずれか遅い日まで
  • 対象は土地価格等縦覧帳簿・家屋価格等縦覧帳簿
  • 見られるのは固定資産税の納税者
  • ★他人の物件の価格も見られる

条文が目的を「他の土地又は家屋の価格とを比較することができるよう」と書いている。

閲覧(382条の2)

  • ★期間の定めが無い
  • 対象は固定資産課税台帳のうち、自分に係る部分
  • 納税義務者のほか、政令で定める者
  • 自分の物件の登録内容を確かめるもの

★借りている人も見られる(施行令52条の14)。

縦覧は416条、閲覧は382条の2にあります。

条文は地方税法[1]同施行令[2]にあります。仕組みの入口は総務省の固定資産税の説明[3]にあります。

縦覧は、近所と比べるための制度です。 自分の評価額が周囲より高くないかを見る、という使い方が条文から想定されています。

審査の申出には、3か月の期限がある

通常は1つ目です。 納税通知書が届いた日から数えます。

価格に不服があるときの道筋
  1. 課税明細書を見る

    面積・地目・構造・住宅用地の特例の適用を確かめる

  2. 縦覧期間なら、近隣と比べる4月

    4月1日から。★他人の物件の価格も見られるのは、この期間だけ

  3. 市町村の資産税課へ相談する

    登録内容の誤りなら、417条1項による修正で直ることがある

  4. 固定資産評価審査委員会へ、文書で審査の申出3か月

    ★納税通知書の交付を受けた日後3月を経過する日まで

  5. 決定に不服なら、取消しの訴え

    434条1項

★3つ目で直れば、4つ目に進む必要はありません。ただし相談している間も期限は進みます。

★争える年と、争えない年がある

ここが最も見落とされます。

固定資産の評価替えは3年ごとです。341条6号が、基準年度を「昭和31年度及び昭和33年度並びに昭和33年度から起算して3年度又は3の倍数の年度を経過したごとの年度」と定めています。

3年の周期(昭和33年度=1958年度から3年ごと)

★据置年度でも、地目の変換、家屋の改築または損壊その他これらに類する特別の事情があることを申し立てる場合は、審査の申出ができます。

「今年は評価替えの年か」を先に確かめてください。 据置年度に価格そのものを争おうとしても、ただし書に当たらなければ受け付けられません。

価格は、この方法でしか争えない

「納税通知書が高すぎる」という形では、価格を争えません。

価格についての不服は、審査の申出 → 決定に不服なら取消しの訴え、という1本の道に決められています。納期限を過ぎてから気づいても、この順序は変わりません。

誤りなら、修正の仕組みがある

この通知を受けた日から3か月以内は、あらためて審査の申出ができます(432条1項)。

課税明細書で確かめる価値があるもの

★1つ目から3つ目は、事実の問題です。誤りであれば、価格の当否を争う前に直る可能性があります。

評価そのものの考え方は積算価格と収益価格と同じ問題を含みます。再調達原価から減価修正で出すという点は共通していて、固定資産評価基準はその市町村版にあたります。

借りている人も、台帳を見られる

施行令52条の14が挙げる「政令で定める者」
  • 固定資産税の納税義務者 → 当該納税義務に係る固定資産1 
  • ★土地の賃借権等(対価が支払われるものに限る)を有する者 → その土地1 
  • ★家屋の賃借権等を有する者 → その家屋、及びその敷地である土地1 
  • 固定資産の処分をする権利を有する者 → その固定資産1 

★家屋を借りている人は、敷地の土地まで見られます。3つ目の「及びその敷地である土地」がそれです。

これは借地権の場面で効きます。地代が適正かを考えるとき、その土地の評価額を自分で確かめられるということです。

ただし、閲覧できるのは「自分に係る部分」です。 他人の物件と比べられるのは、縦覧期間中の納税者だけです。

順序と期限を、1枚にまとめる

期限のあるもの
  • 縦覧 → 4月1日から、4月20日または最初の納期限の日のいずれか遅い日まで1 
  • 審査の申出 → 納税通知書の交付を受けた日後3月を経過する日まで1 
  • 417条1項の通知を受けた場合 → その日から3月以内1 
  • 閲覧 → ★期間の定めは無い1 

★最初の3つは、過ぎたらその年度については戻せません。通知書が届いたら、まず日付を見てください。

固定資産税そのものの仕組み(1月1日時点の所有者、住宅用地の特例、新築の減額)は固定資産税にまとめました。

よくある質問

縦覧と閲覧は、どう違いますか?
別の制度です。縦覧は地方税法416条で、毎年4月1日から4月20日または最初の納期限の日のいずれか遅い日以後の日までの間、土地価格等縦覧帳簿・家屋価格等縦覧帳簿を納税者の縦覧に供するものです。条文が目的を「他の土地又は家屋の価格とを比較することができるよう」と書いています。閲覧は382条の2で、自分に係る部分を見るもので、★期間の定めがありません。
審査の申出は、いつまでにすればよいですか?
地方税法432条1項が3つ挙げています。411条2項の公示の日から納税通知書の交付を受けた日後3月を経過する日まで、419条3項の公示の日から同日後3月を経過する日まで、そして417条1項の通知を受けた日から3月以内です。★通常は1つ目です。納税通知書が届いた日から数えて3か月を経過する日までに、文書で固定資産評価審査委員会へ申し出ます。
何年目でも価格を争えますか?
争えない年があります。432条1項ただし書が、第二年度・第三年度に「登録されたものとみなされる」価格については、349条2項1号の事情があることを申し立てる場合を除いて審査の申出をすることができないとしています。349条2項1号の事情とは「地目の変換、家屋の改築又は損壊その他これらに類する特別の事情」です。★基準年度は341条6号により昭和33年度から3年ごとで、2024年度が基準年度、2026年度は第三年度にあたります。
納税通知書に不服がある、という形では争えませんか?
価格については争えません。地方税法434条2項が「第432条第1項の規定により固定資産評価審査委員会に審査を申し出ることができる事項について不服がある固定資産税の納税者は、同項及び前項の規定によることによつてのみ争うことができる」としています。★価格の争い方は1本に決められています。委員会の決定に不服があるときは、その取消しの訴えを提起できます(434条1項)。
面積や構造の誤りは、どうすればよいですか?
まず市町村へ伝えてください。地方税法417条1項は、市町村長が登録された価格等に重大な錯誤があることを発見した場合、直ちに修正して登録し、遅滞なく納税義務者に通知しなければならないとしています。★この通知を受けた日から3か月以内は、あらためて審査の申出ができます(432条1項)。ただし、申出の期限そのものは動くとは限らないので、通知書が届いたら早めに確かめてください。
借りている人も、課税台帳を見られますか?
見られます。地方税法施行令52条の14が、382条の2第1項の「政令で定める者」として、土地について賃借権その他の使用・収益を目的とする権利(対価が支払われるものに限る)を有する者と、家屋について同じ権利を有する者を挙げています。★家屋の賃借人が見られるのは「当該権利の目的である家屋及びその敷地である土地」です。借地人は、その土地を見られます。

出典 番号は本文中の [n] に対応します

  1. 地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)

    e-Gov 法令検索(デジタル庁) 昭和25年

    確認日 2026-09-02

  2. 地方税法施行令(昭和二十五年政令第二百四十五号)

    e-Gov 法令検索(デジタル庁) 昭和25年

    確認日 2026-09-02

  3. 地方税制度|固定資産税

    総務省

    確認日 2026-08-19

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