つなぎ融資 つなぎゆうし
住宅ローンは建物の完成後にしか実行できない。抵当権を設定するには登記が必要で、登記できる「建物」になるのは屋根と壁ができてからである。
この記事の要点
- 住宅ローンが完成後なのは、抵当権を設定できないため
- 登記できる「建物」になるのは、屋根と壁ができてから
- つなぎ融資の利息と手数料は、建物の代金に入っていない
- つなぎ融資は住宅ローン控除の対象にならない
- 分割実行という別の形もある。扱いは金融機関で違う
目次(6項目)
つなぎ融資とは、住宅ローンが実行されるまでの間、一時的に借りるお金のことです。注文住宅を建てるときに使われます。
土地の代金や、工事の着工金・中間金は、建物が完成する前に払う必要があります。ところが住宅ローンは、原則として建物の完成後にしか実行されません。★その間を埋めるための借入です。
なぜ完成後なのか。理由は条文にあります。
抵当権は、存在しない建物には設定できない
金融機関は、貸したお金の担保として建物に抵当権を設定します。★まだ建っていない建物には、設定できません。
そして抵当権を登記するには、その建物の登記が先に要ります。
★「建物」になるのは、屋根と壁ができてから
★基礎だけ、骨組みだけでは「建物」になりません。
着工
基礎、骨組み。★この段階では、まだ登記の対象ではない
屋根と壁ができるここから
不動産登記規則111条の「建物」になる
表題登記
どこに、どれだけの広さで存在するかを記録する(不動産登記法47条1項)
所有権保存登記
誰のものかを記録する
抵当権設定登記ローン実行
★ここで初めて、金融機関は担保を取れる
★住宅ローンが実行されるのは、この最後の段階です。着工金や中間金は、それより前に支払期日が来ます。
「金融機関が慎重だから遅い」のではありません。 担保を取る仕組みが、この順序でしか成り立たないためです。→ 抵当権
足りなくなるのは、いつ・いくらか
★請負契約書の支払時期と、住宅ローンの実行予定日を並べれば、いつ・いくら足りないかが出ます。その差額が借りる額です。
★自己資金で払える範囲なら、つなぎ融資は要りません。 足りない額と期間が分かって初めて、必要かどうかが決まります。
★つなぎ融資は、住宅ローン控除の対象にならない
つなぎ融資は短期で、住宅ローンの実行時に一括で返します。 ★この定義に当たりません。
控除の対象になるのは、その後に組む住宅ローンのほうです。年末残高証明書も、そちらについて出ます。詳しくは住宅ローン控除にまとめました。
分割実行という、別の形
つなぎ融資を使わずに済む道もあります。
借入先は、どの形を扱っているか
つなぎ融資
住宅ローンとは別の借入を、一時的に立てる
- 住宅ローンの実行時に、一括で返す
- 利息と事務手数料が別にかかる
- ★住宅ローン控除の対象にならない
扱っていない金融機関もある。
分割実行(土地先行融資)
住宅ローンそのものを、何回かに分けて実行する
- 土地の決済時、着工時、完成時などに分ける
- 借入は1本なので、別建ての手数料は生じにくい
- ★扱っている金融機関が限られる
条件は一律ではない。
★どちらも扱っていない金融機関があります。土地の決済と着工の時期が見えた段階で、借入先に確かめてください。
確かめる順序
★1つ目は、金融機関を選ぶ段階の話です。後から変えるのは大変になります。
返済の余力そのものは返済比率で確かめられます。つなぎ融資の利息は、住宅ローンの返済とは別に、その期間だけ出ていく費用です。