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不動産と消費税 ふどうさんとしょうひぜい

土地は非課税、建物は課税。住宅の貸付けも非課税だが、契約で居住用と明らかにされている場合に限る。居住用賃貸建物の消費税は控除できない。

この記事の要点

  1. 土地の譲渡と貸付けは非課税。建物は課税
  2. 住宅の貸付けの非課税は、契約で居住用と明らかにされている場合に限る
  3. 課税売上高1,000万円以下なら、納める義務が免除される
  4. 居住用賃貸建物の消費税は、仕入税額控除できない(30条10項)
  5. ただし3年以内に課税賃貸用に供すれば、調整できる(35条の2)
目次(5項目)

不動産では、消費税がかかるものとかからないものが混ざっています。

  • 土地 … 売っても貸しても非課税
  • 建物 … 売れば課税
  • 住宅の家賃非課税。ただし条件がある
  • 事務所・店舗の賃料課税

同じ取引の中に、課税と非課税が同居します。 だから売買契約書には土地と建物の内訳が書かれ、賃貸では契約書の用途の記載が効いてきます。

非課税の根拠は、別表第二にある

土地は「譲渡及び貸付け」の両方が非課税です。売っても貸してもかかりません。

一方、建物は別表第二に入っていません。 だから売れば課税されます。

★住宅の非課税は、契約書の書き方で決まる

13号には、括弧書きで条件が付いています。

「契約において明らかにされている場合」が原則です。

同じ建物でも、用途で変わる

住宅として貸す

  • 家賃は非課税
  • 契約書に居住用と書いてあること
  • 書いていなくても、状況から明らかなら含む
  • 課税売上高に入らない

個人の大家の多くはここに入る。

事務所・店舗として貸す

  • 賃料は課税
  • 課税売上高に入る
  • 積み上がれば納税義務が生じうる
  • 建物の消費税を控除できる余地がある

同じ建物の別の部屋でも、扱いは分かれる。

★用途が明らかにされていない場合は「貸付け等の状況からみて」判断されうるとされていますが、示せるのは書面です。契約書に書いておくほうが確実です。

納める義務があるかは、1,000万円で分かれる

住宅の家賃は非課税なので、そもそも課税売上高に入りません。

事務所・店舗の賃料や、建物の売却代金が積み上がったときに、この線が問題になります。

★居住用の賃貸建物は、消費税を控除できない

ここが投資では最も重い規定です。

高額特定資産は、施行令25条の5第1項により1,000万円以上のものです。

建物を買ったときの消費税は、控除できるか

その建物を、何に使うか

  • 住宅として貸す(居住用賃貸建物)

    控除できない(30条10項)

    • 1,000万円以上の建物が対象
    • ★家賃が非課税なので、対応する仕入れも控除させない
    • 建物価格の消費税は、そのまま費用になる
    • 取得価額に含まれ、減価償却で回収していく形になる

    令和2年度の改正で入った規定である。

  • 事務所・店舗として貸す

    控除できる余地がある

    • 賃料が課税売上になる
    • 対応する仕入れとして控除の対象になりうる
    • 課税事業者であることが前提

    免税事業者のままでは控除できない。

★理屈は一貫しています。非課税の売上に対応する仕入れは、控除させない。家賃が非課税である以上、建物の消費税も控除させない、という組み立てです。

買う側・貸す側が確かめること

消費税まわりで見るもの

★5つ目は、買う前に分かります。建物価格に含まれる消費税が戻らない前提で、収支を組む必要があります。

貸付けが「事業」といえる規模かどうかは、所得税の話であって消費税とは別の区分です。→ 事業的規模(5棟10室)

実質利回りの計算では、戻らない消費税を取得価額の側に入れて考えることになります。実質利回り

よくある質問

土地には消費税がかからないのですか?
かかりません。消費税法6条1項が別表第二に掲げるものを非課税とし、別表第二1号が「土地(土地の上に存する権利を含む。)の譲渡及び貸付け」を挙げています。★売買でも賃貸でも非課税です。ただし「一時的に使用させる場合その他の政令で定める場合」は除かれます。建物のほうは課税なので、売買価格のうち建物に対応する部分にだけ消費税がかかります。
家賃に消費税はかかりますか?
住宅の家賃はかかりません。別表第二13号が「住宅(人の居住の用に供する家屋又は家屋のうち人の居住の用に供する部分をいう。)の貸付け」を非課税としています。★ただし条件があり、「当該貸付けに係る契約において人の居住の用に供することが明らかにされている場合」に限られます。事務所や店舗として貸す場合は課税です。同じ建物でも、用途によって扱いが変わります。
契約書に用途を書いていないとどうなりますか?
13号の括弧書きが、用途が明らかにされていない場合について「当該貸付け等の状況からみて人の居住の用に供されていることが明らかな場合を含む」としています。★実態で判断されうる、ということです。ただし争いになったときに示せるのは書面なので、契約書に用途を書いておくほうが確実です。
個人の大家でも消費税を納めるのですか?
課税売上高によります。消費税法9条1項が、基準期間における課税売上高が1,000万円以下の事業者(適格請求書発行事業者を除く)について納税義務を免除しています。★住宅の家賃は非課税なので、そもそも課税売上高に入りません。事務所・店舗の賃料や、建物の売却代金が積み上がると、この線を超えることがあります。
建物を買ったときの消費税は、控除できますか?
居住用の賃貸建物はできません。消費税法30条10項が、住宅の貸付けの用に供しないことが明らかな建物以外の建物で、高額特定資産に該当するものを「居住用賃貸建物」とし、その課税仕入れ等の税額について仕入税額控除の規定を適用しないとしています。★高額特定資産は、施行令25条の5第1項により1,000万円以上のものです。
後から用途を変えれば、控除できますか?
3年以内なら調整できます。消費税法35条の2第1項が、第三年度の課税期間の末日にその建物を有していて、仕入れ等の日からその末日までの間(調整期間)に全部または一部を住宅の貸付け以外の貸付けの用に供したときは、課税賃貸割合を乗じた額を仕入れに係る消費税額に加算するとしています。★売却した場合の調整も同条に置かれています。

出典 番号は本文中の [n] に対応します

  1. 消費税法(昭和六十三年法律第百八号)・同施行令

    e-Gov 法令検索(デジタル庁) 昭和63年

    確認日 2026-09-03

  2. No.4124 小規模宅地等の特例

    国税庁

    確認日 2026-09-02

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