賃貸住宅管理業の登録制度 ちんたいじゅうたくかんりぎょうのとうろくせいど
管理戸数200戸以上で登録が義務になる。登録業者には業務管理者の選任、分別管理、定期報告など7つの義務が課される。全部の再委託は禁じられている。
この記事の要点
- 200戸未満は登録が要らない。小さい業者は制度の外にいる
- 登録は5年ごとの更新。切れれば効力を失う
- 業務管理者が欠けた事務所では、新たに契約を締結できない
- 定期報告は1年を超えない期間ごと。苦情の発生状況まで含む
- 管理業務の「全部」の再委託は禁じられている。一部は禁じていない
賃貸住宅管理業とは、賃貸住宅の貸主から委託を受けて、その建物の維持や家賃の管理を行う事業のことです。委託を受ける会社が、いわゆる管理会社です。
2021年6月から、一定の規模を超える業者に国土交通大臣への登録が義務づけられました。登録した業者には、契約前の説明や、お金の分別管理、定期的な報告といった義務が課されます。
★この制度は、貸す側(オーナー)を守るためのものです。 借りる側との関係を直接定めるものではありません。
★200戸未満は、制度の外にいる
★200戸未満なら、登録は要りません。 国土交通省もポータルサイト[2]で「管理戸数が200戸未満の者は任意登録」と書いています。
管理戸数が200戸以上か
200戸以上(登録が義務)
法律上の義務が7つかかる
- 業務管理者の選任、契約前の説明、書面の交付
- 家賃等の分別管理、定期報告、秘密の保持
- 全部の再委託の禁止
- 違反すれば業務改善命令の対象になる
国土交通省の一覧に載っている。
200戸未満(任意)
登録していなければ、これらの義務はかからない
- ★制度の外にいる。悪いという意味ではない
- 任意で登録している業者もいる
- 分別管理も定期報告も、契約で決めるほかない
委託契約の中身が、そのまま条件になる。
★小さい業者が悪いという話ではありません。法律が用意した最低限が、そこには無いというだけです。契約書で埋める必要があります。
登録業者にかかる義務
違反があれば、国土交通大臣が業務の運営の改善に必要な措置を命じられます(22条)。
定期報告は、苦情の状況まで含む
★3つ目が入っていることが要点です。
入居者からの苦情は、貸主に届かないまま管理会社の中で処理されることがあります。それを報告の対象にしたのがこの規定です。設備の不具合や近隣とのもめごとが、退去や賃料の下落につながる前に見えます。
★「交付して説明」です。 送って終わり、ではありません。
サブリースとは、別の制度である
同じ法律の中に2つの制度が入っています。混ざりやすいところです。
第2章 賃貸住宅管理業
- 貸主から委託を受けて管理する形
- 200戸以上で登録が義務
- 業務管理者・分別管理・定期報告
- 家賃を受け取るのは貸主
この記事が扱っているのはこちら。
第3章 特定賃貸借契約(サブリース)
- 業者が借り上げて、転貸する形
- ★登録の有無に関係なく規制がかかる
- 誇大広告の禁止、不当な勧誘の禁止
- 契約前の説明義務
家賃を受け取るのは業者で、貸主へは保証賃料が渡る。
★サブリースの規制は、200戸の線と関係ありません。転貸をする者すべてにかかります。
サブリースの側はサブリースにまとめました。保証賃料が下がりうる理由と、最高裁の判断はそちらです。
委託する前に確かめること
★1つ目から3つ目までは、契約の前に確かめられます。契約書に書かれていない部分は、聞けば分かります。
管理費は実質利回りの計算に効きます。収支に入れる額は、契約で決まる実額を使ってください。 → 実質利回り
分譲マンションの管理組合が委託する相手も「管理会社」ですが、そちらは区分所有法とマンション管理適正化法の世界です。修繕積立金や長期修繕計画は、そちらの話になります。→ 修繕積立金