媒介契約の3種類 ばいかいけいやくのさんしゅるい
媒介契約は3種類。専任は7日・専属専任は5日でレインズ登録、報告は2週間・1週間に1回以上。これらに反する特約は無効である。
この記事の要点
- レインズ登録は専任7日・専属専任5日。休業日は数に入れない
- 報告は専任2週間に1回以上、専属専任1週間に1回以上。これに反する特約は無効
- 申込みがあったら遅滞なく報告する義務は、一般媒介にもある
- レインズの登録内容が事実と異なれば指示処分の対象になる
- 通常の広告費と調査費は業者の負担。査定費用は請求できない
目次(9項目)
媒介契約とは、不動産を売ったり買ったりするときに、その仲立ちを頼むために宅地建物取引業者と結ぶ契約です。仲介を頼む契約と言い換えても同じです。
種類が3つあり、一般媒介・専任媒介・専属専任媒介といいます。名前は似ていますが、他社にも頼めるか、業者がどれだけ動く義務を負うかが変わります。
★そして、条文が数字で線を引いているところがあります。 そこだけ押さえておけば、契約書の欄が読めます。
4つの違いが、条文にある
専任媒介
- 他社に重ねて依頼できない
- 自分で見つけた相手とは直接契約できる
- ★7日以内にレインズへ登録(休業日を除く)
- ★2週間に1回以上、業務処理状況を報告
- 有効期間は3月まで
3月を超える期間を定めても、3月になる。
専属専任媒介
- 他社に重ねて依頼できない
- ★自分で見つけた相手とも直接契約できない
- ★5日以内にレインズへ登録(休業日を除く)
- ★1週間に1回以上、業務処理状況を報告
- 有効期間は3月まで
依頼できる相手が1社に絞られるぶん、義務が重い。
有効期間は34条の2第3項、登録の日数は施行規則15条の10、報告は34条の2第9項によります。
条文は宅地建物取引業法[1]と同施行規則[2]にあります。
★どれが有利かは、物件と売り方によります。 このサイトは特定の選び方を勧めません。条文が定めている数字を並べます。
7日・5日は、休業日を除いて数える
★「7日以内」の7日は、営業日の7日です。
週休2日で祝日が挟まれば、暦の上では2週間近くになることがあります。「まだ載っていない」と思ったときは、この2項を思い出してください。
登録したら、登録を証する書面を遅滞なく依頼者に引き渡さなければなりません(34条の2第6項)。★これが来ないなら、まだ登録されていない可能性があります。
報告義務は、2つある
何についての報告か
申込みがあったとき(8項)
遅滞なく、依頼者に報告しなければならない
- ★一般媒介にも適用される
- 頻度ではなく、出来事に紐づく
- 「遅滞なく」なので、次の定期報告まで待てない
買いたい人が現れたことを、売主が知らないままにはできない。
業務の処理状況(9項)
専任は2週間に1回以上、専属専任は1週間に1回以上
- 専任媒介契約を締結した業者の義務
- 頻度の下限であって、上限ではない
- 一般媒介には無い
何をしたかを、定期的に伝える義務。
★10項が「第三項から第六項まで及び前二項の規定に反する特約は、無効とする」としています。8項・9項は「前二項」に含まれます。
★「報告は月1回で」という特約は、無効です。
同じく、期間を6か月とする特約も効きません。3項が「これより長い期間を定めたときは、その期間は、三月とする」と書いているので、契約書に6か月と書いてあっても3か月になります。
レインズで、自分の物件の見え方を確かめられる
「取引の申込みの受付に関する状況」は、施行規則[2]15条の11第2号が定める登録事項です。
★売主は、自分の物件がレインズでどう見えているかを確かめられます。 登録証明書に、確認の方法が書かれています。
費用は、どこまで業者の負担か
- 指定流通機構への情報登録 → 業者の負担1 20.0%
- 通常の広告 → 業者の負担1 20.0%
- 物件の調査等 → 業者の負担1 20.0%
- 価額の査定に要した費用 → ★依頼者に請求できない1 20.0%
- 特別に依頼した広告・遠隔地への出張 → 請求されうる1 20.0%
最後の1つは、あらかじめ費用の見積りを説明してから実行すべきものとされています。★成約の有無に関わらず請求できるものです。
★「広告費がかかるので」と言われたら、それが特別の依頼にあたるかを確かめてください。
なお、34条の2第2項は、価額や評価額について意見を述べるときはその根拠を明らかにしなければならないと定めています。査定額には、根拠を出す義務があります。
契約が終わっても、2年は残るものがある
更新は、その都度の申出が要る
★1つ目と3つ目を合わせると、期間満了のたびに、続けるかどうかを選び直せることになります。
一般媒介は「明示型」が原則
一般媒介では、他にどの業者へ依頼しているかを明示する義務が原則です。宅地建物取引業法[1]34条の2第1項3号が、媒介契約書に「他の宅地建物取引業者を明示する義務の存否に関する事項」を記載させています。
解釈・運用の考え方は、標準媒介契約約款の一般媒介契約は明示型であり、義務を負わない非明示型にする場合はその旨を特約しなければならないとしています。
★何も言わなければ、明示型です。
売る側が確かめる順序
★契約の後は、登録を証する書面が来るか(専任・専属専任)と、報告が定めの頻度で来るかを見ます。
仲介手数料の上限そのものは、国土交通大臣の告示で決まっています。媒介契約の種類では変わりません。
契約の直前に行われる重要事項説明については重要事項説明、告知の範囲については心理的瑕疵と告知義務にまとめました。